▽憲法裁判所は大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。
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ルーマニアのヨハニス(Klaus Iohannis)大統領が10日、野党からの圧力の高まりを受け、辞意を表明した。
ヨハニス氏は演説で、「この政治危機からルーマニアを救うために、2月12日付けで退任する」と語った。
ヨハニス氏は65歳。2014年から大統領を2期務め、憲法裁判所が24年12月に大統領選のやり直しを命じた後、任期が延長された。
憲法裁判所は大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。
憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。
複数の野党がヨハニス氏に辞任を要求し、弾劾決議案を国会に提出。連立与党の一部議員も賛成票を投じるとみられていた。
ヨハニス氏は演説の中で野党の決議案を批判。「私は憲法を無視したことも、違反したこともない」と強調した。
やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
ジョルジェスク氏がこれに出馬できるかはまだ明らかではない。
ジョルジェスク氏は憲法裁の決定後、地元の裁判所に異議を申し立て、欧州人権裁判所に提訴した。
情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。
ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。
捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。