◎憲法裁は複数の候補者による異義申し立てを認め、再集計が確定した。
ルーマニアの憲法裁判所は28日、週末に行われた大統領選のすべての票を再集計し、投票日当日に公職選挙法に違反する行為がなかったか調査するよう選挙管理委員会と関係当局に命じた。
憲法裁は複数の候補者による異義申し立てを認め、再集計が確定した。
その後、選管は関係当局に対し、12月3日までに投票用紙の原本を提出するよう命じた。
選管による集計の結果、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏がトップ当選し、有権者の度肝を抜いた。
改革派の中道右派ラスコニ(Elena Lasconi)氏が19.17%で2位。世論調査ではトップだったチョラク(Marcel Ciolacu)首相は19.15%で決選投票に進めなかった。
この結果、12月8日の決選投票はジョルジェスク氏とラスコニ氏の争いとなる予定だった。
無所属で出馬したジョルジェスク氏はほとんどの世論調査で得票率10%未満と予測されていたため、今回の結果は政治的な激震をもたらした。
ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。
またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と評して物議を醸したこともある。
首都ブカレストを含む複数の都市では投票日以来、ジョルジェスク氏の大統領就任に反対するデモが続いている。
地元メディアによると、ヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は28日の国家安全保障会議後、記者団に対し、「ある大統領候補がティックトックから与えられた優遇措置により、大きな恩恵を受けたことが明らかになった」と述べたという。
ルーマニア国家視聴覚評議会は今週初め、EUの執行機関である欧州委員会に対し、11月24日の投票におけるティックトックの役割を調査するよう要請した。
ルーマニアのメディア規制当局はこの事態を受け、「調査によってティックトックが選挙を操作した証拠が発見された場合、ティックトックの使用を禁じる可能性がある」と指摘した。
憲法裁への異議申し立ては複数の候補が行った。ある候補は特定の陣営が公職選挙法で禁じられている投票日当日の選挙運動をSNS上で行ったと主張している。