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▽デモ隊はブカレストの政府庁舎前に集まり、「政府を倒せ」「泥棒ども」などのスローガンを唱和した。
2025年3月1日/ルーマニア、首都ブカレスト、政府与党に抗議するデモ(AP通信)

ルーマニアの首都ブカレストで1日、政府与党と憲法裁判所に抗議する集会が開かれ、数万人が参加した。

デモ隊はブカレストの政府庁舎前に集まり、「政府を倒せ」「泥棒ども」などのスローガンを唱和した。

またデモ隊は昨年の大統領選挙第1ラウンドを1位通過した極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏への支持を表明し、決選投票からの再開を要求した。

ロイター通信の取材に応じた男性は「憲法裁判所と政府を解体し、ジョルジェスクを大統領にする必要がある」と語った。

デモを組織した極右団体のリーダーは演説で次のように強調した。「我々は団結し、勝つ。奴らは私たちの票を奪い、民主主義が踏みにじった...」

リーダーは記者団に対し、チョラク(Marcel Ciolacu)首相の辞任を要求すると語った。

野党はチョラク氏の不信任決議案を提出、2月28日に採決が行われたが、反対多数で否決された。

憲法裁判所は昨年12月、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派のジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。

大統領選やり直しで任期満了後も暫定的に留任していた中道のヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は極右の批判や抗議デモが激化したことなどを受け、先月辞任した。

やり直し大統領選までの間、国会議長が大統領代行を務めている。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

やり直し大統領選は5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。

ジョルジェスク氏がこれに出馬できるかはまだ明らかではない。

ジョルジェスク氏は憲法裁の決定後、地元の裁判所に異議を申し立て、欧州人権裁判所に提訴した。

情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。

ジョルジェスク氏は自身の選挙活動費をゼロと公言していた。

捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。

ジョルジェスク氏は不正行為を否定。憲法裁判所を「政府の犬」と呼び、支持者に抗議デモで対抗するよう促している。

ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。

またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と称賛して物議を醸したこともある。

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