◎今回の議会選は前代未聞のやり直しが決まった大統領選第1回投票の後に行われた。
2024年12月8日/ルーマニア、首都ブカレスト、大統領選の結果に抗議するデモ(AP通信)

ルーマニアの与党・社会民主党(PSD)は11日、今月初めの議会選で議席を伸ばしたロシア寄りの極右政党を除く3党と大連立を組むことで合意した。

1日の議会選ではPSDが最多得票を獲得。ロシア寄りの極右も議席の3分の1を抑えたが、他政党と連立を組むことはできなかった。

PSDは声明で、中道右派、改革派、ハンガリー系の小政党と大連立を組むことで合意に達したと発表した。

今回の議会選は前代未聞のやり直しが決まった大統領選第1回投票の後に行われた。

憲法裁判所は先週、第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。

憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。

新連立政権によると、各政党はやり直し大統領選で「共通の候補」を支持する可能性があるという。ジョルジェスク氏の出馬が認められるかは分かっていない。

情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロ(約5700万円)の報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。

今月末に2期目の任期を満了するヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は再選挙の日程について、新政権が決めると述べていた。

ヨハニス氏は11日、12月20日に議会を召集する政令に署名した。

ジョルジェスク氏は過去にロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を「国を愛する男」と絶賛し、ウクライナを「敵対国家」と呼んだことがある。

またジョルジェスク氏は1930~40年代にかけてのルーマニアのファシストやナショナリスト指導者たちを国民的英雄と評して物議を醸したこともある。

PSDのチョラク(Marcel Ciolacu)首相は親ロシア派の影響力が強まっているとして、極右を除く政党に一致団結して対応する呼びかけている。

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