◎北東部スチャバ郡の警察当局は声明で、「違法伐採に関与した11人は、9月16日にジャーナリスト2人と環境活動家1人を殴打し、撮影用の機材を破壊した」と述べた。
ルーマニアの地元メディアによると、北東部の森林で違法伐採のドキュメンタリーを制作していたジャーナリストと環境活動家が伐採業者に殴打されたという。
北東部スチャバ郡の警察当局は声明で、「違法伐採に関与した11人は、9月16日にジャーナリスト2人と環境活動家1人を殴打し、撮影用の機材を破壊した」と述べた。3人の命に別状はないという。
ルーマニア政府は過去数十年にわたって違法伐採の取り締まりに力を入れてきたが、大きな成果は上がっていない。過去に発生した違法伐採の取り締まりに関連する複数の暴力事件は国民の怒りを呼び、EUからも批判されていた。
警察のスポークスマンは17日の記者会見で、「警察は違法伐採と暴力に関与した者を拘束した」と述べた。
伐採業者の攻撃を受けたジャーナリストのミハイ・ドラゴレア氏はAP通信の取材に対し、「容疑者たちは斧で武装していた」と述べた。「暴力はいかなる理由があろうと許されません。容疑者たちは後悔しているでしょう」
欧州委員会は昨年、ルーマニアは違法伐採を効果的に取り締まらず、EU法を尊重しなかったとする侵害手続きを開始した。委員会は当時の声明で、「ルーマニア政府はパトロール員の配置やカメラの設置などの取り締まり対策を怠った」と述べていた。
違法伐採関連の暴力は増加傾向にあり、2019年には森林パトロール隊の職員2人が伐採業者に殺害された。
バルナ・タンチョス環境相は17日、「容疑者たちは起訴され、厳しい現実に直面するだろう」と述べた。「政府は森林を守るために活動している人々に対する攻撃を容認しません...」
地元メディアによると、殴打された3人はグルーンピース・ルーマニアから派遣された弁護士と協議し、法的手続きの準備を開始したという。
グリーンピース・ルーマニアの当局者はAP通信に、「地方自治体と違法業者は非公式なつながりを維持しており、法律や体制を見直さない限り、違法伐採は減らないだろう」と述べた。「違法業者は伐採関連の煩わしい手続きを省略するために、地方自治体にお金を払います。体制を見直し、汚職を減らさなければ、違法伐採はなくならないでしょう」
環境グループ、エージェント・グリーンの代表を務めるガブリエル・パウン氏は今回の事件について、「一部の伐採業者は仕事を守るためなら何でもする」と述べた。パウン氏は2016年に国立公園内で伐採業者に殴打されたが、事件の裁判が始まる見込みは立っていないという。
「私は殴られた時の様子を写真とビデオに記録していますが、司法の手続きは5年たった今も続いています。ルーマニアの司法制度は違法伐採とそれに関連する攻撃を奨励していると言わざるを得ません...」