◎プロタセビッチ氏はメッセージアプリ「テレグラム」上の反体制派チャンネル「ネクスタ(Nexta)」の共同創設者であり、独裁者のルカシェンコ大統領を厳しく批判してきた。
ベラルーシ地裁は3日、2年前に拘束された反政権派ジャーナリスト、プロタセビッチ(Roman Protasevich)氏に禁固8年の実刑判決を言い渡した。
ベラルーシ当局は2021年5月、ギリシャからリトアニアに向かっていた英ライアンエアー社の旅客機内に爆弾が仕掛けられているとウソをつき、首都ミンスクの空港に強制着陸させたうえで、搭乗していたプロタセビッチ氏とガールフレンドのサペガ(Sofia Sapega)氏を拉致した。
プロタセビッチ氏はメッセージアプリ「テレグラム」上の反体制派チャンネル「ネクスタ(Nexta)」の共同創設者であり、独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を厳しく批判してきた。
プラタセビッチ氏は逮捕後、約1カ月刑務所に収容され、その後自宅軟禁下に置かれていた。
サペガ氏は昨年、扇動罪で禁固6年を言い渡された。
欧米諸国はこの強制着陸事件を「国家主導のハイジャック」と断じ、ルカシェンコ政権に厳しい制裁を科した。ベラルーシの旅客機はEU圏内への侵入を禁じられている。
AP通信によると、サペガ氏は今週、ベラルーシ当局に対し、残りの刑期を全うするため、母国ロシアへの身柄引き渡しを嘆願したという。
ベラルーシ政府はこれに同意したと伝えられているが、引き渡しの時期は明らかになっていない。
ミンスク地裁は3日、欠席裁判にかけられているネクスタの創設者2人(亡命済み)にもそれぞれ禁固19年と20年を言い渡した。
2020年の大統領選に立候補し、リトアニアへの亡命を余儀なくされた野党党首チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は3日、自身のSNSアカウントに声明を投稿。3人に対する判決を「偽り」と呼び、「この判決は司法がルカシェンコの支配下に置かれていることを示している」と非難した。