イタリア・ローマで改修工事中の塔崩れる、作業員4人救助
事故は正午ごろに発生。改修工事中に塔の一部が崩れたという。
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イタリア・ローマ中心部にある「コンティの塔」の一部が崩れ、作業員が下敷きになった。地元当局が3日、明らかにした。
それによると、事故は正午ごろに発生。改修工事中に塔の一部が崩れたという。
救助隊は塔内に閉じ込められた作業員たちを救出するため、1階窓から進入を試みたが、その間も一部が崩れ続けたため、撤退を余儀なくされた。
その後、救助隊は別のルートで内部を視認。ドローンを投入した。
夕暮れが迫る中、消防隊はクレーンで巨大なパイプを吊り上げ、2階の窓から瓦礫を除去した。
救助隊はその後、作業員4人を救出。このうち1人が重傷で、病院に緊急搬送された。
コンティの塔はローマの中心部にある中世の塔である。1212年、教皇インノケンティウス3世の親族であるコンティ家によって建設された。
ローマでは中世に貴族たちが権力を誇示するために多くの塔を建てたが、その中でもコンティの塔は特に壮大で、かつては約50メートルもの高さを誇っていたと伝えられる。
建設当初は要塞のような性格を持ち、政治的対立や一族間の争いの際には防衛拠点として機能した。
塔はローマの中世都市構造を象徴する遺構の一つであり、古代ローマの遺跡の上に中世の権力が重ねられた姿を今に伝えている。
地震や都市整備の影響で上部は失われ、現在は約30メートルの高さしか残っていないが、その重厚な石造りの姿は往時の威容をしのばせる。
現地メディアによると、コンティの塔は2007年に閉鎖され、保存作業、電気、照明、水道システムの設置、新しい展示施設の設置など、690万ユーロをかけて修復工事が行われていたという。
