◎プーチン氏のチェチェン訪問は約13年ぶり。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領が20日、南部チェチェン共和国を電撃訪問し、カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長らと会談した。
プーチン氏のチェチェン訪問は約13年ぶり。
プーチン氏はカディロフ氏に出迎えられた後、自身の名前を冠した特殊部隊アカデミーを訪問。ウクライナでの戦いを志願する兵士と面会した。
国営メディアによると、プーチン氏は志願兵を称賛。「彼らのような男がいる限り、ロシアは無敵である」と述べたという。
カディロフ氏はテレグラムに声明を投稿。「ウクライナでの特別軍事作戦が始まって以来、4万7000人以上の兵士がこの施設で訓練を受けた」と明らかにした。
ソビエト連邦崩壊後に独立を目指し、中央政府軍との長年にわたる紛争に従事したチェチェン出身の戦闘員たちはウクライナ戦争の両側で戦いを繰り広げている。
チェチェン独立派の故指導者に忠誠を誓う義勇軍はウクライナ側で戦っている。
これに対し、カディロフ氏に忠誠を誓う戦闘員たちはウクライナ南部へルソン州などにおける包囲作戦に加わった。
国営メディアによると、プーチン氏は前首長の墓や首都グロズヌイの指令本部なども視察したという。
プーチン氏はこれらを訪問した後、記者会見を開き、「チェチェンにはウクライナ軍と戦う準備が整った優秀な予備役数万人がいる」と語った。
この予備役がウクライナ軍の侵攻を受ける西部クルスク州に派兵されるかどうかは明らかになっていない。
ウクライナ軍によるクルスク州への越境攻撃は15日目に突入。数十キロにわたる前線で激しい戦闘が続いているものとみられる。
ウクライナ軍のシルスキー(Oleksandr Syrsky)総司令官は20日、この越境攻撃について、これまでに93の集落を制圧し、1263平方キロメートルを占領したと明らかにした。