◎戦術核兵器はより強力な戦略核兵器とは異なり、戦場で使用することを目的としている。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は9日、リゾート地ソチの公邸でベラルーシのルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領と会談し、来月中にベラルーシに戦術核兵器を配備すると表明した。
プーチン氏は今年初めにベラルーシの核武装について初めて言及し、ウクライナを支援するNATO加盟国に圧力をかけた。
ベラルーシに配備された核兵器はロシア軍の管理下に置かれる予定だ。
戦術核兵器はより強力な戦略核兵器とは異なり、戦場で使用することを目的としている。
ロシア国営メディアによると、プーチン氏は会談の中でベラルーシの核保管施設の建設工事は7月7~8日に完了し、その後すぐ、自国で保有する戦術核の一部を配備すると述べた。
またプーチン氏はウクライナ軍の大規模反攻が始まったという認識を初めて示し、自軍はそれに対応できると主張した。
ウクライナ軍は東部ドネツク州の激戦地バフムートを含むいくつかの前線で反転攻勢に出たとみられる。一部の観測筋は待ちわびた反撃が始まったと見ているが、ウクライナ大統領府は反攻開始を宣言するつもりはないとしている。
ロシアは同盟国ベラルーシの領内に部隊を展開し、ウクライナに攻撃を仕掛けている。
プーチン氏はルカシェンコ氏との会談に先立ち、国営テレビに「すべて計画通りに進んでいる」と述べた。「7月7~8日に関連施設の準備が完了次第、ベラルーシにこれらの兵器を配備する作業を開始します...」
プーチン氏はベラルーシに配備する核兵器の数を明らかにしていない。米政府はロシアが航空機で運べる戦術核兵器の保有数を2000発と見積もっている。
リトアニアの亡命したベラルーシの野党指導者チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は9日、この動きを改めて強く非難した。
チハノフスカヤ氏はAP通信の取材に対し、「プーチンとその操り人形ルカシェンコは7月にリトアニアで開催されるNATO首脳会議に先立ち、ベラルーシに核を配備しようとしている」と語った。「これは危険極まりない行為であり、核の力で西側を引き下がらせようとするものです。脅迫に屈するわけにはいきません...」