◎フィンランドは15日に正式にNATO加盟を表明する予定である。
2022年5月11日/ロシア、ソチの政府庁舎、プーチン大統領(Mikhail Metzel/Sputnik/Kremlin/Pool/AP通信)

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は14日、フィンランドがNATOに加盟を申請した場合、両国の関係に悪影響を与えると警告した。

ロシア大統領府によると、プーチン大統領はフィンランドのニーニスト(Sauli Niinisto)大統領と電話会談を行い、「ロシアはフィンランドの安全保障に影響を与えておらず、軍事的中立の放棄は間違いである」と指摘した。

またプーチン大統領は、「このような外交政策の変更は、長年にわたって良好な関係を築いてきたロシアとフィンランドの関係に悪影響を及ぼす可能性がある」と警告した。

ニーニスト大統領とマリン(Sanna Marin)首相は今週、NATO加盟を支持すると発表した。同国は15日に正式に加盟を表明する予定である。

フィンランド大統領府は声明で、「ニーニスト大統領はプーチン大統領に、2月24日の侵攻後、フィンランドの安全保障環境は劇的に変化したと伝えた」と述べている。

また同大統領府は、「両首脳は率直に議論し、緊張を避けることが重要という認識を共有した」とした。ニーニスト大統領はこの10年、プーチン大統領と定期的に会談した西側の指導者のひとりである。

ニーニスト大統領は2012年の首脳会談で「2つの独立国がそれぞれの立場で自国の安全保障を高めていくことになる」と述べていたと指摘した。

ロシア大統領府によると、両首脳はロシア軍のウクライナにおける「特別軍事作戦」、およびその政治的解決についても議論したという。プーチン大統領はウクライナが真剣かつ建設的な対話を拒否し、交渉中断を余儀なくされていると主張した。

フィンランド大統領府によると、この電話会談はフィンランドの申し出で行われたという。

フィンランドはロシアと1340kmにわたる国境線を共有している。

一方、マリン首相率いる社会民主党は14日に加盟申請を承認し、議会採決の準備を整えた。議案は賛成多数で可決される見込み。その後、ブリュッセルのNATO本部に加盟申請書を提出する。

スウェーデンのアンデション(Magdalena Andersson)首相率いる社会民主党も15日に態度を示す予定。

フィンランドとスウェーデンのNATO加盟の障害となり得るのが、加盟国のトルコである。エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は13日、「両国の加盟は好ましくない」と表明した。

またエルドアン大統領は、北欧諸国がトルコでテロリストと見なされているクルド人武装勢力をかくまっていると非難している。

フィンランド外相は14日、訪問先のベルリンで記者団に対し、「緊張を和らげるためにトルコ外相に電話をかけた」と明らかにした。ベルリンでは非公開のNATO外相会合が行われている。

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