◎9月末に始まった予備役の部分動員は重大犯罪で服役したことのある元受刑者の採用を禁じていたが、新法の導入で前科者の動員が可能になった。
ロシアの国営メディアによると、プーチン(Vladimir Putin)大統領は前科者の動員を認める法案に署名したという。
9月末に始まった予備役の部分動員は重大犯罪で服役したことのある元受刑者の採用を禁じていたが、新法の導入で前科者の動員が可能になった。
ただし、未成年に対する性犯罪やテロ行為などで有罪判決を受けた元受刑者は除外される。
一部の専門家はこの動員令で招集された戦闘経験のない市民が前線に送られ、戦闘経験豊富な部隊の「おとり」にされる可能性があると指摘している。
国連がウクライナに設置した独立調査委員会は9月、ロシア軍による戦争犯罪の証拠を複数確認したと発表した。同委員会によると、ロシア兵を民間人を即決処刑したり、性的暴行を行ったりしたという。
ウクライナ検察もロシア軍の戦争犯罪の証拠数万件を確認したと報告している。一部の捕虜は起訴され、有罪判決を受けた。
ロシアは意図的に民間人を狙ったという西側の告発を否定し、市民を攻撃しているのはウクライナ軍と反論している。
国連委員会はウクライナ軍によるロシア兵の不当な扱いを2件発見したと報告しているが、ロシアの戦争犯罪はそれをはるかに上回る件数と指摘した。
一部のメディアはロシアの民間軍事企業ワグネルがウクライナで戦う兵士を確保するために、刑期短縮と引き換えに受刑者を集めていると報じていた。
ロシアの法律は徴兵と引き換えに刑期を短縮するというワグネルの提案を認めていないが、ワグネルの代表プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏は一部メディアが公開した動画の中で、「グループで活動すれば刑務所に戻ることはない」と受刑者に説明している。
ワグネルは4日、ロシアで初となる公式事務所をサンクトペテルブルクに開設した。
ロシア大統領府は9月以降に招集された予備役約30万人のうち、約4万9000人がウクライナに配備されたと報告している。
西側とウクライナの専門家はプーチン氏が予備役動員を決めた理由について、ウクライナで兵士を失い過ぎた結果と指摘している。
動員令開始以来、戦争に反対するロシア人男性数万人が国外に逃亡した。