◎志願兵を増やすのか、徴兵制を拡大するのかは不明である。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は25日、今後数カ月で軍の兵力を増強する法令に署名した。
国営タス通信によると、今後数カ月で13万7000人を兵士として追加雇用する予定だという。
ロシア軍の兵力は民間軍事会社「ワグネル」などの準軍組織込みで100万~150万人と推定されているが、ウクライナ侵攻で苦戦を強いられている。
ロシア政府は現在、学生に多額の奨励金を提供すると約束し、全国で兵士採用活動を行っている。
西側の情報機関によると、ロシアはウクライナ侵攻以来、7〜8万人の兵士を失った可能性があるという。
一部の専門家は軍のリクルーターが刑務所で採用活動を行っていると報告したが、事実か否かは不明。
英国防省は今月中旬の定例報告で、「ロシア国内で発足したいくつかのボランティア大隊がウクライナの作戦の一部を担う可能性がある」と指摘した。
また同省は、「ウクライナ侵攻に志願する者は少なく、熱意も明らかに欠けているため、ロシア軍は兵力不足に悩まされ続けるだろう」と説明した。
米シンクタンク「戦争研究所」などによると、ロシア軍の主力部隊は完全制圧したとされる東部ルハンシク州からドネツク州に攻め込もうとしているが、ウクライナ軍に押し込まれ、この数週間ほとんど前進できていないという。
プーチン氏が署名した法令は、「ロシア連邦軍の規模を203万9758人(そのうち職業軍人は115万628人)に増強する」と定めている。
法令は現在の軍人の数を101万3628人としているが、侵攻開始前の数は約90万人と考えられていた。
また法令はこの目的を達成するために年度予算から予算を計上するよう命じている。ただし、志願兵を増やすのか、徴兵制を拡大するのかは不明である。
現在の徴兵の対象は18歳~27歳までのロシア人男性としているが、医療免除や大学への進学などを理由に通常1年の兵役期間を回避・短縮することも可能。
ロシアは当初、ウクライナへの新兵派遣を否定していたが、希望者が派遣ありきの契約書にサインさせられ、場合によっては捕虜になった事例が明らかになり、将校数人が懲戒処分を受けた。
ロシアの法律は「徴兵された兵士は戦地に送られる前に4ヶ月間の訓練を受ける」と義務付けている。