◎ロシア軍は障がい者、老人、兵役経験のない学生などに招集令状を交付したと伝えられている。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は29日、予備役の部分動員で問題があったことを公式に認め、間違いを正す必要があると表明した。
ロシア軍は障がい者、老人、兵役経験のない学生などに招集令状を交付したと伝えられている。
テレグラムには「80歳の祖父に令状が届いた」「去年生まれた息子に令状が届いた」などと言った不満の声が多数寄せられている。
ショイグ(Sergei Shoigu)国防相は先週、兵役経験のある予備役を中心に30万人を動員する予定であると発表した。しかし、独立系紙ノーバヤ・ガゼータ欧州はこの動員令で最大100万人に赤紙が届くと報じている。
同紙によると、プーチン氏が署名した法令は必要な予備役の数について言及したと思われる1段落が機密扱いになっているという。ロシア大統領府はこの報道を主張している。
招集の対象になり得るロシア人男性数万人が国境に殺到している。
ロシア軍は兵役経験のある者や軍に必要な専門知識を持つ者を招集すると宣伝したが、国外に逃亡した多くのロシア人が個人の勤務実績、健康状態、身分、年齢さえも無視されているように見えると不満を表明している。
人権団体OVDインフォによると、この数日で30以上の都市や町で反戦デモが行われ、2400人以上が拘束されたという。拘束された男性の多くが赤紙を受け取ったと伝えられている。
ロシア大統領府はプーチン氏の声明を引用し、「動員の過程で多くの疑問が浮かび上がってきている。すべての間違いは正され、同じような問題を起こさないようにしなければならない」と発表した。
プーチン氏は「対象年齢を明らかに過ぎている高齢者、精神疾患を患っている人、子沢山の父親に招集令状が届いている」と説明した。
プーチン政権寄りのメディアや一部の政治指導者も動員令を批判している。
ロシア国営RTの編集者は先週、「この動員令は意図的に市民を激怒させているように見える。ウクライナの策略ではないのか?」とテレグラムに投稿した。
ロシア大統領府のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は26日、招集に誤りがあったことを認め、州政府と国防相が訂正作業を進めていると説明した。
プーチン氏は声明の中で国防省のミスには言及せず、その責任は自分にあると示唆した。
一方、ロシア当局は陸路で国外に脱出しようとする戦闘年齢に達した男性を確保するために、国境付近に「ドラフト事務所」を開設している。
ロシア国営メディアは29日、カザフスタン国境に面するサラトフ州の国境検問所に軍の登録・入隊事務所が開設されたと報じた。
また、同じくカザフ国境近くのアストラハン地方にも事務所が開設される予定だ。
今週初めにはロシア南部のジョージア国境近くと、フィンランドの国境検問所付近に仮設の登録・入隊事務所が設置された。国営メディアは当局者の話を引用し、「出国を試みる資格のあるすべての男性に招集令状を交付する」と報じている。