◎この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
セルビア北部ノビサドの駅天井が崩落した事故に抗議する市民と警察が衝突し、数人が逮捕された。地元警察が20日、明らかにした。
この事故はノビサド市中心部の鉄道駅の入り口で今月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
現地メディアによると、事故現場付近で政府に抗議するデモを行っていた人々が市中心部の裁判所に移動し、建屋内に侵入しようとしたため、機動隊が介入したという。
市内では19日にも一部の抗議者と警察がにらみ合いになっていた。
機動隊はデモ参加者に裁判所から離れるよう命じ、数時間に及ぶにらみ合いの末、人々を排除した。
警察によると、機動隊に飛びかかったとして、数人の活動家が逮捕されたという。
事故が起きた駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
野党はずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ政権に責任を取るよう求めている。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
内務省の報道官はSNSに声明を投稿。「セルビアの憲法は平和的な抗議デモを行う権利を保障しているが、警察官に殴りかかったり、許可なく裁判所に侵入したりすることは認めておらず、絶対容認しない」と書き込んだ。
検察は徹底的な調査を約束し、ベシッチ(Goran Vesic)建設相が責任を取って辞任したが、今のところ刑事責任に問われた者はいない。
首都ベオグラードでも同様のデモが続いている。20日のデモは平和的に終了したが、旧市街地に架かる橋を取り壊す市の計画に反対する活動家のデモでは許可なく国有地に立ち入ったとして2人が逮捕された。