▽憲法裁判所は先月初め、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク氏の決選投票進出に待ったをかけた。
ルーマニアの首都ブカレストで12日、大統領選第1回投票の結果を無効とする憲法裁判所の決定に抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
デモ隊はルーマニアの国旗を掲げ、「自由で公正な選挙を望む」などと書かれた横断幕を掲げて抗議した。
大統領選に出馬したナショナリストのシミオン(George Simion)氏は演説で、「我々は12月6日のクーデターに抗議している」と述べた。
憲法裁判所は先月初め、大統領選第1回投票の結果を無効と判断し、親ロシア派の極右ジョルジェスク(Calin Georgescu)氏の決選投票進出に待ったをかけた。
憲法裁は人工知能(AI)を含むデジタル技術の違法な使用や、未申告の選挙資金が使用されたと指摘。また、ある候補がソーシャルメディア・プラットフォームで「優遇措置」を受け、その結果、有権者の意思表示が歪められたとしている。
ジョルジェスク氏とシミオン氏は票の3分の1を獲得し、西側の同盟国を驚かせた。
大統領選第1ラウンドは5月4日に予定されている。過半数を獲得する候補が出なかった場合は5月18日の決選投票で勝者を決める。
ジョルジェスク氏がこれに出馬できるかはまだ明らかではない。
ジョルジェスク氏は憲法裁の決定後、地元の裁判所に異議を申し立て、欧州人権裁判所に提訴した。
情報機関はジョルジェスク氏の陣営がティックトック(TikTok)のユーザーに36万1000ユーロの報酬を支払い、ジョルジェスク氏のコンテンツを宣伝させたと主張している。
ジョルジェスク氏は自身の選挙活動に一切の支出をしていないと公言していた。
地元メディアによると、捜査当局はジョルジェスク氏が公職選挙法に違反した疑いがあるとみて捜査している。