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▽セルビアでは北部ノビサドの駅で昨年11月に事故が発生して以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
2025年4月8日/セルビア、首都ベオグラード、政府与党に抗議するデモ(AP通信)

セルビアの首都ベオグラードにブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領を支持する人々が集まり、緊張が高まっている。

当局は12日、国会議事堂とその周辺を封鎖し、親政府集会の設営を行う人々をサポートした。

会場には近隣のコソボやボスニア・ヘルツェゴビナからバスでやってきた人々を含む数千人が集まっている。集会を主催する政府は支持者のためにコンサートステージやテント、屋台を設営した。

大統領官邸の前にある公園には数十台の大型トラックが乗り入れた。

セルビアでは北部ノビサドの駅で昨年11月に事故が発生して以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。

この事故はノビサド中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。

ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。

この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。

国営放送や地元のタブロイド紙は学生ユニオンを「過激派」「外国勢力」などと呼び、市民に支持しないよう働きかけてきた。

ブチッチ氏はデモに対抗するため、公費を使って親政府イベントを各地で開催。12日午後にベオグラードで演説する予定だ。

ブチッチ氏は法と秩序を回復し、来週から大学の授業を再開するための要求を学長らに提示すると述べている。

ブチッチ氏は学生ユニオンを「国家を破壊しようとするテロリスト」と呼んでいる。

学生ユニオンは12日、ベオグラード郊外の地区で集会を開き、数千人が参加した。

反対派と親政府派の対立が深まる中、各地で親政府派が反対派を襲撃する事件が相次いでいる。南部ニシュで先月末、デモに参加していた大学の職員がナイフで切りつけられる事件が発生。職員は手に軽傷を負ったものの、命に別条はなかった。警察が殺人未遂の疑いで女を現行犯逮捕した。

デモ隊は親政府派がブチッチ政権の偽情報を信じてデモ隊を攻撃していると非難。過去数カ月で、デモ隊の列に車が突っ込む事件が20件以上報告されている。

学生ユニオンは12日、SNSへの投稿でベオグラードの市民に対し、親政府集会に参加しないよう呼びかけた。

デモ隊は汚職、怠慢、安全規制の無視が横行した結果、ノビサド駅の改修工事がうまくいかなかったと主張し、ブチッチ氏に責任を取るよう求めている。

ブチェビッチ(Milos Vucevic)首相は1月末、政府との対話に応じるようデモ隊に求め、辞意を表明。ノビサドの市長も同日辞任した。

政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。

検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。

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