◎ウラジーミル・プーチン大統領は米ジョー・バイデン大統領の殺人者発言に即座に反応し、ワシントンD.C.の駐米大使を本国に呼び戻したうえで、アメリカの奴隷制の歴史、ネイティブアメリカンの虐殺、広島と長崎への原爆投下を引き合いに出し、応戦した。
ロシア政府によると、殺人者と呼ばれた元KGBのウラジーミル・プーチン大統領はアメリカのジョー・バイデン大統領に電話会談を申し出たという。
バイデン大統領は先日放送されたABCニュースのインタビューの中で、プーチン大統領を殺人者と呼んだ。
ドミトリー・ペスコフ報道官はオンライン記者会見の中で、「プーチン大統領はアメリカとの関係を維持するために話し合うことは理にかなっていると明言し、バイデン大統領の非常に悪い発言による両国の関係悪化を和らげるために、公開電話会談を行いたいと提案しました」と述べた。
プーチン大統領はバイデン大統領の殺人者発言に即座に反応し、ワシントンD.C.の駐米大使を本国に呼び戻したうえで、アメリカの奴隷制の歴史、ネイティブアメリカンの虐殺、広島と長崎への原爆投下を引き合いに出し、応戦した。
同時にプーチン大統領は、ロシアは自国の利益を守るためにバイデン大統領と協力するだろうと述べ、「アメリカのまともな市民はロシアとの平和と友情を望んでいる」と付け加えた。
ペスコフ報道官によると、プーチン大統領はコロナウイルス、地域紛争、その他の様々な問題について話し合う電話会談をバイデン大統領に提案し、会話の内容を公開するよう呼びかけたという。
ペスコフ報道官は、「バイデン大統領の言葉は前例のないものだったので、ロシアは前例のない公開電話会談を要求しました。プーチン大統領は国家元首の議論の公開は、両国の市民にとっても興味深いものになるだろうと述べています」と語った。
「ロシアは会談を要求しました。しかし、返事はないため、アメリカは会話を拒否したのでしょう」
首脳間の電話は通常非公開で行われるが、フランスのエマニュエル・マクロン大統領とプーチン大統領は昨年6月に1回だけ会話の冒頭を放送している。
カーネギーモスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長は談話の中で、米ロの関係は今後数年間緊張状態を保つと予測し、軍事行動の防止に焦点を当てる必要があると述べた。
「最も重要なことは、不注意による軍事衝突を回避することです。モスクワとワシントンD.C.には即座に通話できる専用チャンネルがあります。ロシア、アメリカ、その他の同盟国の関係の悪化で起こりうる武力衝突を防ぐ、もしくは発生した場合は即座に解決することが重要です」
米国国家情報長官事務所は、プーチン大統領が昨年の大統領選挙でトランプ前大統領の活動に影響を与える作戦を承認した可能性があるというレポートを17日に公表した。ホワイトハウスは選挙への関与やサイバー攻撃には制裁で応じると警告している。
一方、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領は同盟国ロシアに加担し、バイデン大統領の発言は国家元首として許されないと非難した。
エルドアン大統領は記者団に対し、「国家元首がそのような表現(殺人者発言)をすることは、到底受け入れられません。しかし、プーチン大統領の反応は非常に鋭敏でエレガントでした」と述べた。
エルドアン大統領とプーチン大統領の関係は2015年末のロシア空軍機撃墜事件で一気に冷え込んだが、エルドアン大統領の謝罪で関係は修復された。
一方、バイデン大統領は就任以来、エルドアン大統領と一度も話していない。
プーチンはエルドアンにアイスをおごります