ポルトガルが電力網強化へ、25年4月の大停電受け
この停電は4月28日の正午頃から始まり、わずか5秒間で15ギガワットもの電力が失われた。
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ポルトガル政府は28日、今年4月28日に同国とスペインの大部分が停電したことを受け、同国の電力システムを強化するための取り組みを公表した。
それによると、送配電網の改修に約1億3700万ユーロ(約235億円)を投資し、発電能力も強化する予定。病院などの重要インフラには太陽光パネルや蓄電池を設置するとしている。
首相府の報道官は環境省の声明を引用し、「この計画により、我が国は将来の緊急事態に備える体制を強化できる」と述べた。
また報道官は「発送電能力を強化することで、危機を最小化し、その影響を最小限に抑えることができる」と強調した。
この停電は4月28日の正午頃から始まり、わずか5秒間で15ギガワットもの電力が失われた。発電所本体で不具合が発生したという情報はなかった。
スペイン政府は先月公表した報告書の中でこの停電について、「送電網の障害が招いた複数の技術的・計画上のミスによるもの」と説明した。
報告書はこの停電に寄与した複数の技術的要因を挙げている。その1つとして「送電網の運営者が電力の変動を調整する役割を果たすことができなかった」と指摘している。
またスペイン政府はサイバー攻撃の可能性を完全に否定した。
スペインの送電網と接続されているポルトガルも広い範囲で停電が発生。両国の島嶼地域のみが影響を免れた。停電は翌朝までに復旧した。
最終報告書は10月に提出される予定だ。