◎教皇はローマに向かう専用列車の中で記者会見を開き、「移民を追い出す人、赤ん坊を殺す人、どちらも生命を軽視している」と嘆いた。
バチカンのフランシスコ(Pope Francis)教皇は13日、米大統領選の2候補が掲げる移民と中絶に関する政策を厳しく非難し、「米国のカトリック教徒は来る11月、より小さな悪と思うほうに投票すべきだ」と助言した。
教皇はローマに向かう専用列車の中で記者会見を開き、「移民を追い出す人、赤ん坊を殺す人、どちらも生命を軽視している」と嘆いた。
ハリス(Kamala Harris)副大統領は女性の人口妊娠中絶の権利を確立すると公約に掲げている。
一方、トランプ(Donald Trump)前大統領は「ペットを食べる」とされる移民を国外通報し、国境の壁建設を再開すると心に誓っているように見える。
アジア歴訪を終えた教皇は記者から米国のカトリック有権者への助言を求められた。
また教皇は大統領選の争点となっている移民と中絶について意見を求められると、ハリス氏とトランプ氏の名前は出さなかったものの、厳しい言葉を発した。
「移住は聖書に記された権利であり、見知らぬ人を歓迎するという聖書の呼びかけに従わない人は重大な罪を犯していることになります...」
中絶についてはもっと率直に語った。「中絶は人間を殺すことです。この言葉が好きか嫌いかは別として、それは殺人です。私たちはこのことをはっきり認識しなければなりません...」
有権者はこの選挙で何を信じるべきかと問われると、「より小さい悪と思うほうに投票すべきだ。女と男、どちらが悪か?私には分かりません」と答えた。
ハリス陣営とトランプ陣営は教皇の説教に関するコメントを出していない。
教皇は世界中で繰り広げられている移民の苦境を教皇職の最優先事項としており、1人でも多くの移民を救うべきと力説している。
中絶についても、教会の教えを強く支持する一方、前任者ほどは教義を強調していない。