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教皇レオ14世が世界の枢機卿を召集へ、26年1月にコンシストリー開催

会合は2026年1月7日から8日にかけて行われ、初期の教皇職運営に向けた重要な節目と位置付けられている。
2025年12月20日/バチカン市国、教皇レオ14世(AP通信)

ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(Pope Leo XIV)が全世界の枢機卿をバチカンに召集し、重要な協議のための会合(コンシストリー)を来年1月に開催する。バチカン当局が20日、明らかにした。会合は2026年1月7日から8日にかけて行われ、初期の教皇職運営に向けた重要な節目と位置付けられている。

バチカンは20日、レオ14世が世界中の枢機卿すべてを対象に2日間の会合を招集したと発表した。この会合は「コンシストリー(Consistory、枢密会議)」と呼ばれる伝統的な集まりであるが、今回は助言・協議を目的としたものであり、新たな枢機卿の任命は行わない。

会合は26年1月6日に終了する予定の「聖年」の直後に設定されている。聖年は四半世紀に一度開催されるキリスト教徒にとって重要な祝祭期間であり、教皇はこの期間中、巡礼者との面会や特別ミサの執行など多くの宗教的行事をこなしてきた。これまでの数か月間、レオ14世の時間は聖年の務めと前教皇フランシスコの教皇職からの未完事項の整理に多く費やされていた。

このコンシストリーはレオ14世が自身の方針や教会運営の基本姿勢を打ち出す最初の大規模な会合となる点で重要視されている。レオ14世は5月8日に教皇に選出され、米国出身として初めてのローマ教皇となった。

前任のフランシスコ教皇はコンシストリーを教会運営の中心として活用するよりも、約8~9人の側近枢機卿による小規模な助言体制に依存する傾向が強かった。これに対してレオ14世は、世界の枢機卿全員を広く集める伝統的な方式を重視する姿勢を示しているとバチカン関係者は説明している。

バチカンはこの会合について、「共通の識別を促進し、教皇が教会の統治という重大な責務を果たす上での支援と助言を提供する場となる」と説明した。純粋に協議および助言を目的とした会合としての性格を強調しており、教皇と枢機卿による意見交換や方針確認が中心となる見込みである。

今回の召集はレオ14世の教皇としての独自色を鮮明にする一里塚とも受け止められている。就任以来、レオ14世は世界各地の信徒や巡礼者との交流を優先し、教会の伝統と現代的課題の両立を模索してきた。この会合が今後の教会戦略や改革の方向性にどのような影響を与えるかについて、専門家や信徒の関心が高まっている。

AP通信はバチカン筋の話しとして、会合後の協議内容を踏まえ、今後の教皇の主要施策や国際的な教会運営方針が具体化される可能性があると報じている。会合後、教皇の新たなリーダーシップビジョンが明らかになる見込みである。

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