◎兵士は国境フェンスのベラルーシ側から手を伸ばした移民に刺されたとみられる。
ポーランド東部のベラルーシ国境で胸を刺されたポーランド兵が亡くなった。陸軍が6日、明らかにした。
それによると、この兵士は先月、ベラルーシ国境で移民とみられる男に胸を刺され、軍病院で緊急手術を受け、入院していたという。
陸軍の報道官は声明で、「兵士は6日に首都ワルシャワの病院に移り、手当てを受けていたが、6日午後に息を引き取った」と明らかにした。
兵士は国境フェンスのベラルーシ側から手を伸ばした移民に刺されたとみられる。
トゥスク(Donald Tusk)首相はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「彼は祖国と国境の防衛に命を捧げた」と書き込み、哀悼の意を表した。
外務省は6日、駐ベラルーシ大使を召喚し、兵士を刺した容疑者を特定し、引き渡すよう要求した。
ポーランドの東部国境にはアジア、中東、アフリカの移民が押し寄せ、国境警備隊に圧力をかけている。
ポーランド政府の統計によると、今年、国境を不法に越えようとした移民は約1万7000人にのぼる。
ポーランドとEUはそこに押し寄せる移民の多くが欧州の不安定化を画策するロシアとその同盟国ベラルーシによって組織されていると非難してきた。
ポーランド当局によると、東部国境で拘束された移民の9割がロシアのビザを持っていたという。
トゥスク氏は先月末、ロシアとベラルーシの国境を「要塞化」すると発表。約25億ドルを計上し、最新鋭の対ドローン監視・防衛タワー、対戦車地雷、シールド、溝、掩蔽壕、シェルター、サイバー攻撃対応チームなどを構築するとしている。