◎トゥスク首相は欧州理事会の前常任議長(EU大統領)で中道派。昨年の議会選で勝利し、連立政権を率いている。
ポーランドのトゥスク首相(AP通信)

ポーランドのトゥスク(Donald Tusk)首相は9日、前政権が250億ドル(約370億円)もの予算を不正に支出したと非難し、それを回収するための取り組みを進めていると明らかにした。

それによると、6カ月にわたる調査と監査の結果、広範囲に及ぶ公金の不正支出が明らかになったという。

トゥスク氏は記者団に対し、「これまでのところ、前政権のエリート層62人が捜査対象となっている」と語った。

トゥスク氏は欧州理事会の前常任議長(EU大統領)で中道派。昨年の議会選で勝利し、連立政権を率いている。

この選挙で敗れた前与党・法と正義(PiS)は民主主義の水準を低下させていると長年非難を浴びてきた。

地元メディアによると、PiSは同党に忠実な財団などに予算を優先的に割り当てていたとみられる。

トゥスク氏は「内務省、司法省、財務省のトップが不正支出された公金の確保・回収に向けた作業を調整することで合意した」と明らかにした。

またトゥスク氏は「これほどひどい予算執行はポーランドの歴史上初めてであり、前政権の責任を追及する」と述べた。

トゥスク氏の前任であるモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)前首相はこれを「嘘」と非難。トゥスク氏がPiSの評判に傷をつけようとしていると主張した。

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