◎右派与党「法と正義(PiS)」は選挙が近くなると保守層を意識して反LGBT発言を多用するようになる。
ポーランドの保守的な与党党首は26日、LGBTQ+(性的少数者)の権利に関する西側諸国の見解を否定し、「それが正しいか否かにかかわらず、見解を押し付けるべきではない」と反発した。
右派与党「法と正義(PiS)」のカチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)党首は26日、西側の見解をすべて受け入れれば、「ポーランドで男性の名前として認識されているウワディスワフ(Wladyslaw)という男性を女性の名前と認識されているゾシア(Zosia)と呼ぶことになるだろう」と主張した。
カチンスキ氏は北部の都市で開催された集会で、「西側はLGBTの権利に関して、すべての国にその見解を押し付けようとしている」と述べ、批判した。「ポーランドは他人の寝室を除くつもりはありません。つまり、正常を維持したいのです...」
PiSは選挙が近くなると保守層を意識して反LGBT発言を多用するようになる。カチンスキ氏は来年予定されている議会選の準備を進めているとみられる。
カチンスキ氏は25日の集会でも同様の発言を繰り返し、「良識のあるルール」と「普通」を維持することが重要と有権者に呼びかけていた。「私たちは西側の同盟国にポーランドの考えを押し付けたりしません。私たちは民主主義と普通を擁護しているだけです」
首都ワルシャワでは25日、LGBTの権利保護を呼びかける祭典「プライド・パレード」が行われ、数万人が参加した。
デモ隊はLGBTの権利だけでなく、ロシアによるウクライナ侵攻にも反対し、国際社会に団結を呼びかけた。