◎デモ隊は与党「ジョージアの夢」がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会前で抗議デモを続けている。
ジョージアの政府与党に抗議するデモが2週目に入り、警察の取り締まりがますます暴力的になっている。
4日のデモでは野党議員がパトカーに引きずりこまれ、暴動を扇動したとして逮捕された。他にも数人の活動家が逮捕され、ジャーナリストが顔面骨折の重傷を負うなど、数十人が負傷した。
AP通信によると、地元テレビ局の記者は先週、首都トビリシの国会前で生中継していたところ、機動隊に顔面を殴られたという。記者は顔面骨折の重傷で入院した。
この記者は2日に退院、病院前でAPに対し、「殺されると思った」と語った。警察はこの暴行に関するコメントを出しておらず、逮捕者も出ていない。
デモ隊は与党「ジョージアの夢」がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会前で抗議デモを続けている。
ジョージアの夢は10月26日の議会選(一院制、定数150)で過半数を獲得。野党とズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領は政府がロシアの協力を得て票を操作したと主張し、議会をボイコットしている。
与党が先週、EU加盟交渉の中断を決めて以来、抗議デモは激しさを増し、一部の暴徒と機動隊が衝突する事態となっている。
機動隊は暴動に関与していない市民にも放水砲と催涙ガスを撃ちこみ、これまでに数百人を逮捕した。
暴徒は機動隊に花火を撃ちこみ、トビリシの中央大通りにバリケードを築いている。
ズラビシュヴィリ氏はコバヒゼ(Irakli Kobakhidze)首相に辞任を要求し、新大統領の選出を認めず、その座にとどまると主張している。議会は12月14日に新大統領を選出する予定だ。
ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことを受け、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。
米政府もこの法律を受け、数十人の政府高官を制裁リストに追加した。
ジョージアの夢は9月初めにLGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。
欧州議会は29日、ジョージアの議会選を「自由でも公正でもない」と非難する決議を賛成多数で採択。コバヒゼ氏はこれを受け、EU加盟交渉の中断を決めた。