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フィンランド警察、海底ケーブル損傷に関連し貨物船の乗組員2人逮捕

警察はこの事件がフィンランドとエストニアを結ぶ海底インフラへの損壊行為に該当する可能性があるとして、重過失通信妨害未遂罪など複数の容疑で捜査を進めている。
2026年1月1日/フィンランドの港、当局が押収した貨物船(ロイター通信)

フィンランド当局は1月2日、バルト海で発生した海底通信ケーブルの損傷事件を受け、押収した貨物船の乗組員2人を逮捕したと発表した。警察はこの事件がフィンランドとエストニアを結ぶ海底インフラへの損壊行為に該当する可能性があるとして、重過失通信妨害未遂罪など複数の容疑で捜査を進めている。

損傷したのはフィンランドの通信大手エリサ(Elisa)が所有する海底通信ケーブルで、事件は1月1日未明にエストニアの排他的経済水域内で報告された。当局によると、このケーブルは北欧・バルト海地域の通信網の要をなすもので、損傷が確認された時点で接続機能が失われていたという。

フィンランド警察はケーブル損傷との関連で貨物船をフィンランドの排他的経済水域内で差し押さえ、乗組員14人を拘束、事情聴取を行っていた。今回逮捕された2人以外にも、別の2人に対しては出国禁止措置が取られている。警察は逮捕者や出国禁止対象者の国籍など詳細は公表していないが、乗組員はロシア、ジョージア、アゼルバイジャン、カザフスタン出身者らで構成されていたと報じられている。

事件の発端は、当局がこの貨物船が排他的経済水域を航行中にアンカーを海底に引きずっていた痕跡を確認したことだ。フィンランド警察はこの状態が数時間にわたって続き、通信ケーブル損傷の原因となった可能性があると指摘している。ただし、現時点で当局は意図的な破壊行為だったかどうかについては断定していない。

一方、フィンランド税関は貨物検査で、ロシア産とみられる構造用鋼材が積載されているのを発見し、これがEUの制裁対象に該当する可能性があるとして調査を進めていると明かした。この鋼材については、EUの制裁規則に基づき輸入が禁止されているため、別途制裁違反の疑いも視野に入れているという。

今回の事件は同海域で近年相次いでいる海底インフラ被害の一つであり、欧州諸国の安全保障上の懸念を高めている。昨年12月には別のロシア関連船が海底ケーブル損傷事件の疑いで捜査対象となったが、損傷場所がフィンランド領海外であったため起訴には至らなかった経緯がある。

エストニアや北欧諸国はバルト海を通じた電力・通信インフラの安全性確保に神経をとがらせており、これらの事件が偶発的な事故か、あるいはより広範な「ハイブリッド攻撃」の一環であるかどうかをめぐり、引き続き慎重な分析を進めている。フィンランド当局は捜査結果を公開する方針を示しており、関係者への聞き取りや現場調査を継続している。

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