◎事件はワルシャワ市内で唯一の戦前に建設されたシナゴーグで発生。何者かが3発の火炎瓶を敷地内に投げ込んだ。
ポーランド・ワルシャワのシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)に火炎瓶が投げ込まれ、警察が威力業務妨害の疑いで捜査している。地元当局が1日、明らかにした。
それによると、事件は市内で唯一の戦前に建設されたシナゴーグで午前1時頃に発生。何者かが3発の火炎瓶を敷地内に投げ込んだという。
地元メディアはこのシナゴーグのラビの話しとして、「火炎瓶少なくとも1本が外壁に当たったとみられるが、延焼せず、ケガ人もいなかった」と伝えている。
地元テレビ局が報じた映像には1階窓近くの壁とその周囲に焦げたような跡が映っていた。
ドゥダ(Andrzej Duda)大統領は声明でこの事件を「恥ずべきもの」と非難。「ポーランドに反ユダヤ主義の居場所はない」と断じた。
現場のシナゴーグを視察した駐米大使も怒りを表明。「米国はポーランドのユダヤ人コミュニティと完全に連帯している」と強調した。
報道によると、警察が周辺の防犯カメラを解析するなどして、火炎瓶が投げ込まれた経緯を調べている。
ナチスがポーランドに設置したアウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所などでは、600万人ものユダヤ人が虐殺されたと推定されている。