◎ロシアの石炭には、親ロシアの反政府勢力の管理下に置かれているウクライナ東部ドンバス地方の石炭が含まれている。
2021年10月21日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相(Getty Imagesl/AFP通信)

ポーランド政府は29日、ロシア産石炭の輸入を禁止すると発表した。

政府のミューラー報道官は新しい方針を発表する中で、「ポーランドにロシアの石炭を輸入する民間企業に金銭的な罰則を科し、ポーランドの税関職員がチェックを行う予定である」と述べた。

またミューラー報道官は、「ポーランドはEUの政策を待つことはできない」と強調した。開始時期は明らかにされていない。

西側の主要国はロシアに様々な制裁を科している。しかし、EUはロシア産エネルギー(原油、天然ガス、石炭)に依存しているため、エネルギー分野への制裁には踏み切っていない。

ソビエトの最も重要な衛星国であったポーランドは近年、ロシア産エネルギーの使用量を減らす努力を続け、まもなくロシア産天然ガスから卒業する予定である。しかし、原油はロシアに強く依存している。

ポーランドは自国内でも石炭を生産しているが、その多くを輸入に頼っている。ワルシャワ構造研究所によると、ロシア産石炭は年間消費量の約13%を占めるという。

ワルシャワ構造研究所のレヴァンドフスキ所長はAP通信の取材に対し、「10月より冬が終わる3月に禁輸した方がずっと良い」と語った。「ロシア産石炭の半分は個人宅の暖房に、残りは地域暖房や工業用として使われています。政府は今年の冬までに新たな取引先を確保する必要があります」

レヴァンドフスキ所長によると、ロシア産石炭は品質と価格のバランスが良く、新たな取引は割高になる可能性が高いという。

ポーランドの炭鉱労働者は、ロシアや他国から石炭を輸入することは衰退しつつある自国の炭鉱をさらに弱体化させると考えていたため、この決定を歓迎するだろう。

また一部の批評家は、開戦前からロシア産石炭を輸入することは間違っていると指摘し続けてきた。

ロシアの石炭が問題視されていたのは、親ロシアの反政府勢力の管理下に置かれているウクライナ東部ドンバス地方で採掘された石炭が含まれているためである。

批評家は、ロシアはウクライナの資源を盗んで海外に輸出し利益を上げていると指摘している。

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