◎モーニング・アフターピルは性行為後、72時間以内に服用することで妊娠率を抑えることができる。
ポーランドのドゥダ(Andrzej Duda)大統領は29日、処方箋なしで15歳以上の全ての女性への緊急避妊薬「モーニング・アフターピル」の販売を許可する法案に拒否権を発動した。
大統領府は声明で、「ドゥダ大統領は未成年者の健康を懸念し、保護者の声に耳を傾ける必要があると考えている」と説明した。
それによると、ドゥダ氏は法案を国会に差し戻したものの、18歳以上に市販のモーニング・アフターピルを販売することには前向きな考えを示したという。
大統領府は声明の中で、「18歳未満の少女に市販のピルを販売することを正当化する説得力のある議論は行われていない」と指摘している。
国会は先月、この法案を可決。ドゥダ氏の署名で成立する予定だった。
トゥスク(Donald Tusk)首相はこの法律が女性の選択する権利をさらに拡充すると述べている。
地元メディアによると、首都ワルシャワではドゥダ氏の拒否権に抗議する女性数百人が抗議デモを行ったという。
現在、予期せぬ妊娠を避けるモーニング・アフターピルを入手するためには処方箋が必要だ。
トゥスク氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「ドゥダ大統領は女性の味方になる機会を逃した。私たちはプランBを実行している」と書き込んだ。
モーニング・アフターピルは性行為後、72時間以内に服用することで妊娠率を抑えることができる。性行為から服用までの時間が短ければ短いほど避妊の確率は高くなる。