◎ポーランドの6月のインフレ率は前年同月比15.5%に達し、過去25年間で最高を記録。特に天然ガスと石炭の価格が急騰している。
ポーランドのモラウィエツキ(Mateusz Morawiecki)首相は22日、燃料不足とインフレへの懸念が高まる中、国民に落ち着きを求めた。
モラウィエツキ氏は議会演説の中で、冬に必要な天然ガスと石炭は十分確保できると説明した。
ポーランドの6月のインフレ率は前年同月比15.5%に達し、過去25年間で最高を記録。特に天然ガスと石炭の価格が急騰している。
ポーランドは国内で消費する石炭の大半をロシアから輸入していたため、EUの対ロシア制裁の影響を強く受け、石炭価格はこの数カ月で3倍に跳ね上がった。
政府は国営エネルギー会社に個人向け石炭を緊急購入するよう命じている。国内で消費される石炭のほとんどは産業向けである。
モラウィエツキ氏はロシアのウクライナ侵攻が世界規模のエネルギー危機とインフレを引き起こしたと非難し、与党「法と正義(PiS)」は国民の生活を保証するためにあらゆることを行うと約束した。
この問題はPiS率いる保守連立政権に暗い影を落としている。各紙の世論調査によると、連立政権は来年の議会選で過半数を失う可能性が高いという。
モラウィエツキ氏は隣国ウクライナを全力で支援すると約束したうえで、天然ガスと石炭をロシア以外の国から購入し、冬までにLNGタンクを満タンにすると誓った。
野党と一部の経済学者はモラウィエツキ氏の演説を「楽観的過ぎる」と批判したが、解決策は提案しなかった。
ポーランドの右派政権はLGBTQ+に対する差別的な法律やアフリカ・中東系移民の取り締まりでEUから非難されているものの、ウクライナ難民は全力で保護し、国際社会の称賛を集めている。