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ポーランド裁判所、ノルドストリーム爆発事件の容疑者の身柄引き渡しを審理

捜査当局は9月30日、ドイツの逮捕状に基づき、この男性を逮捕した。身元は明らかにされていない。
ロシアのパイプ敷設船(AP通信)

ポーランド・ワルシャワの裁判所は17日、2022年9月に3つのノルドストリームガスパイプラインに対する「攻撃」に関与した疑いで逮捕されたウクライナ人男性(46歳)のドイツへの身柄引き渡しについて審理した。

捜査当局は9月30日、ドイツの逮捕状に基づき、この男性を逮捕した。身元は明らかにされていない。

ドイツ検察当局は容疑者を「訓練を受けたダイバー」と説明し、パイプラインに爆発物を設置したグループのメンバーであったと主張している。

ノルドストリームはロシアからドイツへバルト海の海底を通って天然ガスを輸送するパイプラインである。

ドイツは当時、ノルドストリームからのガス供給に大きく依存していた。

しかし、22年9月、ノルドストリーム1とノルドストリーム2で大規模なガス漏れが発生し、破壊工作の可能性が指摘された。

この事件は欧州のエネルギー供給に大きな影響を与え、地政学的な緊張を高める要因となった。

ワルシャワ地方裁判所がいつ決定を下すかは分かっていない。男性の弁護士は無罪を主張し、引き渡しが決まっても控訴するとしている。

弁護士は審理前、記者団に対し、「依頼人は無実であり、何の犯罪も犯しておらず、なぜドイツ側がこれらの容疑を提起したのか理解できない」と語った。

また弁護士は「ウクライナ人はロシアに対するいかなる行為でも起訴されるべきではない」と強調した。

トゥスク(Donald Tusk)首相は今月初め、「ノルドストリームが建設されたことが問題であり、恥ずべきことはロシアのパイプラインが爆破されたことではなく、それが建設されたこと、その建設を決めた人々だ」と述べ、ドイツ政府を暗に批判した。

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