◎欧州委員会は司法の独立性やLGBTQ+(性的少数者)の人権が侵害されているなどとして、ポーランド向けの予算の一部を凍結していた。
EUの執行機関である欧州委員会がポーランド向け予算51億ユーロの凍結を解除する予定だ。現地メディアが21日に報じた。
欧州委員会は司法の独立性やLGBTQ+(性的少数者)の人権が侵害されているなどとして、ポーランド向けの予算の一部を凍結していた。
この51億ユーロはロシアによるウクライナ侵攻がもたらしたエネルギー危機に対処するために交付される予算。ロシア産化石燃料への依存を解消するプログラムの一部である。
ポーランドの与党「法と正義(PiS)」は先月の総選挙(下院、定数460)で第1党を維持したものの、連立政権の樹立に失敗。野党党首のトゥスク(Donald Tusk)元首相率いる連立政権の誕生が確実な情勢となった。
トゥスク氏は欧州理事会の元常任議長であり、まもなく新内閣を発足させる予定だ。
トゥスク氏は先月、ベルギーのEU本部を訪れ、高官らと会談。ポーランドとEUの関係を修復し、前政権がもたらした一連の問題を解消したうえで、EU予算凍結解除に向けた取り組みを進めると約束した。
EUが凍結しているポーランド向け予算は345億ユーロにのぼる。
EU理事会は欧州委員会の提案を受け、4週間以内に凍結を解除する見込み。EU加盟27カ国の財務相は来月8日の会合でこれを承認するものとみられる。