ポーランド政府、エプスタイン文書を調査へ、欧州でも波紋広がる
エプスタイン事件は国際的な性的人身売買と権力者との関係が注目されてきた大規模スキャンダルであり、今回のポーランドによる調査開始は欧州でも広がる虐待被害への対応と被害者救済の重要性を改めて浮き彫りにしている。
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ポーランド政府は3日、米司法省が最近公開した故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein)氏に関連する文書の分析を進め、ポーランド人被害者の有無を調べる方針を示した。トゥスク(Donald Tusk)首相は同日、閣議後にこの決定を明らかにし、子どもや若年者が関与していた可能性を徹底的に調査すると表明した。
エプスタイン氏は米国の富豪で、未成年者への性的虐待と人身売買に関与した疑いで起訴されたが、裁判を待つ間の2019年に拘置所で死亡した。側近であったギレーヌ・マクスウェル(Ghislaine Maxwell)は複数の少女を勧誘し、エプスタイン氏に引き合わせたとして有罪判決を受けている。今回公開された資料は300万ページに上る。
トゥスク氏は声明で、「ポーランドの子どもがこの犯罪ネットワークや、その中心人物であるエプスタインによる虐待に巻き込まれた可能性を軽視することはできない」と強調した。公開文書にはポーランドに関連する記述が含まれているが、現時点で政治家や公的機関が関与した具体的な虐待事例は確認されていない。
トゥスク氏はまた、クラクフ在住の個人がエプスタイン氏に対して「女性や少女のグループがいる」と伝えていたという情報など、調査の手がかりとなる可能性がある事例についても言及し、「こうした手がかりは他にも存在する」と述べた。これを受けて、ポーランド政府は司法相と情報機関担当相の下で専門チームを設置し、文書の精査を開始した。必要に応じて正式な捜査に発展させる意向で、米側に追加資料の提供を求める可能性も示されている。
この動きはポーランドだけにとどまらず、ラトビアやリトアニアも同様に文書の分析を進めると発表しており、欧州各国でエプスタイン事件に関連した調査の動きが広がっている。
トゥスク氏はさらに、公開された文書の中にロシアの機密情報機関との関連が示唆される可能性があるとの懸念も示し、エプスタイン氏とロシア諜報機関との関係についても調査する考えを表明した。ただし、具体的な証拠を示すことはなく、詳細な調査が必要だと強調している。
司法省も分析チームがポーランドに関する記述や証拠を厳密に精査し、未成年者を含む可能性のある被害者の特定と保護を最優先に進める方針を示している。捜査が正式に開始されれば、当局は加害者及び関与者への法的措置も視野に入れるとしている。
エプスタイン事件は国際的な性的人身売買と権力者との関係が注目されてきた大規模スキャンダルであり、今回のポーランドによる調査開始は欧州でも広がる虐待被害への対応と被害者救済の重要性を改めて浮き彫りにしている。
