◎ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、EUの不安定化を図るために移民希望者を集め隣国に送り出している。
10月17日、ポーランドで移民希望者の強制送還に反対するデモが開催され、数千人が政府の方針に抗議した。
現地メディアによると、首都ワルシャワでは数千人が市街地を行進し、南部の都市クラクフでは「国境沿いでの拷問をやめろ」というスローガンを掲げた人々が集会を開催したという。
ワルシャワのデモに参加した女性は地元メディアの取材に対し、「亡命を希望する脆弱な人々はポーランドとベラルーシの国境沿いの森で凍死しかけています」と述べた。「政府は何人殺せば気が済むのですか?...」
ワルシャワの抗議者の多くがアルミホイルの旗を掲げ行進した。ある女性は、「屋外で立ち往生している移民希望者はアルミホイルではなく保護と暖かい毛布を求めています」と訴えた。国境沿いの気温は夜になると氷点下まで低下する。
ここ2カ月の間に、中東とアフリカの移民希望者数千人がベラルーシからポーランドへの不法入国を試みた。
ポーランド当局は国境警備を強化したうえで、ベラルーシの独裁者アレクサンドル・ルカシェンコ大統領を厳しく非難した。
ルカシェンコ大統領はEUの不安定化を図るために移民希望者を集め隣国に送り出している。EUとポーランドはベラルーシの戦略を「ハイブリッド戦争」と呼んだ。
一方、保守的なポーランド政府の方針に反対する人々は、山と川を越えて何とか国境にたどり着き、その後ベラルーシに強制送還された幼い子供を見て憤慨した。
子供2人とデモに参加したセラピストの女性は強制送還を「恥辱」と呼び、政府を非難した。「政府はEUと共に幼い子供を含む移民希望者を保護しなければなりません。しかし、政府はベラルーシから助けを求めてやってくる移民希望者を人間と思っていないようです。これ以上世界に恥をさらさないでください」
地元から半日かけてワルシャワ入りした45歳の女性はAP通信に、「国境で行われていることに恐怖を感じています」と語った。「移民希望者はルカシェンコではありません...」
「隣人を愛しなさい」と書かれた看板を掲げて行進した男性は、「保守政府は移民希望者の人種、肌の色、宗教が気に食わない」と述べた。「保守政府は中東とアフリカ人を国境沿いで打ち負かし、野宿を強制し、ベラルーシに送り返しています」
ポーランド議会は先日、「移民希望者の庇護申請の拒否」を許可する法案を可決した。国連難民高等弁務官事務所は、この法律は国際法およびEU法に定められた庇護を求める基本的権利を損なうと批判している。
ポーランドやリトアニアなどは、昨年8月のベラルーシ大統領選挙後に亡命を余儀なくされた野党指導者や反対派を快く受け入れ、ルカシェンコ大統領の反感を買った。
ルカシェンコ大統領は大統領選で勝利を主張したが、野党と西側諸国はこの主張を却下し、大規模な抗議デモに発展した。しかし、当局はデモを武力で制圧し、35,000人以上を恣意的に逮捕した。