◎欧米諸国では反ユダヤ主義が台頭、死傷者が出る事態となっている。
イスラエルによるガザ侵攻に抗議するデモ隊がフランスの名門大学「パリ政治学院」の校舎を占拠し、政府に対応を促した。現地メディアが26日に報じた。
それによると、パリ政治学院の学生数十人が校舎の一部を占拠し、マクロン政権が行動を起こすまで抵抗し続けると表明したという。
管理者はすべての授業をオンラインに移行すると発表。学生たちに校舎から退去するよう促した。
パリ政治学院はマクロン(Emmanuel Macron)大統領やアタル(Gabriel Attal)首相などを輩出した名門であり、多くのユダヤ教徒が通っている。
デモ隊はまずキャンパス中央の建物を占拠し、ゴミ箱や木製の台、自転車などで入り口にバリケードを設置。その後、校舎を制圧し、窓にパレスチナの国旗を掲げ、スローガンを唱えた。
校舎内で地元テレビ局の取材に応じた女性は「マクロンは今すぐ、イスラエルをジェノサイドで告発しなさい」と語った。
大学の外では親パレスチナ派と親イスラエル派のデモ隊がにらみ合いとなり、一触即発の事態に発展。機動隊が割って入った。
イスラエルの国旗を掲げた男性はAP通信の取材に対し、「チームパレスチナはハマスによる昨年10月7日のユダヤ人大量虐殺を黙認している」と語った。
報道によると、校舎を占拠したデモ隊は警察の退去命令を無視したものの、通りに集まった親パレスチナ派とイスラエル派は機動隊に見送られながら、平和的に立ち去ったという。
フランス政府は戦争の発端となった10月7日の攻撃後、親パレスチナ派のデモを禁止しようとしたが、その後、この方針を見直した。
欧米諸国では反ユダヤ主義が台頭、死傷者が出る事態となっている。米国の大学でも親パレスチナ派によるデモが続いている。