◎フランス・テレビジョンの取材に応じた少年は「僕たちはどこに行けばよいのですか?」と尋ねた。
フランス警察は4月30日未明、パリ市庁舎横の路地で寝泊まりする移民約100人に退去を命じた。
夜明け前に始まったこの摘発は7月26日に開幕するパリ五輪のクリーンアップ作戦のひとつである。
パリ市警は西アフリカのサヘル地域から来た10代の少年など、約100人を起こし、テントや荷物をまとめるよう指示した。
フランス・テレビジョンの取材に応じた少年は「僕たちはどこに行けばよいのですか?」と尋ねた。
パリ市警によると、この作戦は治安上の理由から実施されたもので、「キャンプ場」のすぐ近くにある学校の関係者や生徒の保護者から撤去を求める要請(多くが苦情)が複数あったという。
移民の多くが未成年で、パリ市に住民票を申請中だ。
現場で対応に当たった警察の広報担当は「アンジェ(ロワール地方)に3週間滞在できる仮設収容所を設置しています」と記者団に語った。
キャンプ場の近くにはアンジェ行きのバスが待機していた。
報道によると、バスに乗り込んだのは2、3人だけ。他の大半が荷物を抱えてどこかに歩いて行った。
アンジェはパリの南西約250キロに位置する。地元メディアの取材に応じたマリ国籍の男性は「仮設収容所は3週間後に撤去されるのですか?」と尋ねた。「その後はパリに戻ることになるでしょう...」
移民を支援する複数の団体がパリ市警の摘発を批判。そのひとつはSNSに声明を投稿している。「キャンプ場から追い出された人々はパリの別の場所に移動し、テントを設置することになるでしょう。しかし、またパリ市警に追い出されることになるかもしれません...」