◎容疑者は逮捕時、アラー・アクバル(神は偉大なり)と叫んでいた。
フランス・パリのセーヌ川にかかる橋のそばで2日夜、ドイツ人観光客が刺殺された。
地元メディアは3日、パリ郊外のエソンヌ県で両親と暮らすイラン系の男が逮捕されたと報じた。
事件はエッフェル塔近くで2日夜に発生。容疑者はドイツ人観光客を鋭利な刃物で刺殺した後、橋を渡って右岸に向かい、ハンマーのような鈍器で歩行者2人を負傷させた。
ボルヌ(Elisabeth Borne)首相は3日、この事件を受け、パリ五輪の警備を担当する閣僚や関係機関の責任者を招集し、市内のパトロールを含む治安対策を全面的に見直すよう命じた。
首相府の報道官は声明で、「ボルヌ首相は関係閣僚らに実施中の治安対策を全面的に見直すよう命じた」と述べている。
ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は2日夜の声明で、「容疑者は逮捕時、アラー・アクバル(神は偉大なり)と叫んでいた」と明らかにした。
警察は容疑者の身元と認否を明らかにしていない。
ソーシャルメディアで共有された動画には警察官が銃を抜き、右手にナイフのようなものを持った男を追い詰める様子が映っていた。
ダルマナン氏によると、現場で対応に当たった警察官は容疑者に対し、2度テーザー銃を使ったという。
ユダヤ教徒とイスラム教徒が多く住むフランスでは10月7日にガザ紛争が勃発して以来、緊張状態が続いている。
反ユダヤ勢力はユダヤ教徒を、反イスラム勢力はイスラム教徒をSNSで誹謗・中傷したり、暴力を煽ったりしている。