フランス検察、エプスタイン事件で2件の捜査を開始
捜査は性被害の可能性がある事件と金融上の不正行為の疑いに分かれており、専門の裁判官がそれぞれ担当することになっている。
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フランス・パリの司法当局は18日、米国の富豪である故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein)氏に関連する新たな捜査を2件立ち上げると発表し、被害者に対して名乗り出るよう呼びかけた。捜査は性被害の可能性がある事件と金融上の不正行為の疑いに分かれており、専門の裁判官がそれぞれ担当することになっている。今回の動きは米司法省がエプスタイン氏に関する文書や写真、映像など数百万ページに及ぶ膨大な資料を公開したことを受けたものだ。
パリ検察の検事は声明で、公開された米側の資料やメディア報道、新たに寄せられている告発内容を捜査に活用すると説明し、「これらの資料は被害者のトラウマを再び呼び起こす可能性があり、まだ我々の知らない被害者が存在するかもしれない」と述べた。被害を受けながらこれまで声を上げてこなかった人々に対し、正式な告訴や証言を行うよう求めている。
新たな性被害関連の捜査には、過去の捜査資料も再検討する方針が含まれている。その中心となるのが、フランス人のモデルエージェントであった故ジャン=リュック・ブルネル(Jean-Luc Brunel)氏に関する過去の捜査だ。ブルネル氏は未成年の性的搾取に関与した疑いで訴追されていたが、2022年に拘置中の刑務所で死亡し、捜査が中断された経緯がある。エプスタイン氏と親交が深かったブルネル氏は当時、女性や少女の性的搾取に関与したとして注目されていた人物である。
エプスタイン氏はフランスを頻繁に訪れ、パリに複数の不動産を所有していたことが知られている。こうした背景もあり、フランス当局は新たな証拠や証言によって捜査の幅を広げる意向を示している。
一方、金融上の不正疑惑に関する捜査では、ジャック・ラング(Jack Lang)元文化相とその娘キャロライン(Caroline Lang)氏が焦点となっている。ラング氏は最近、アラブ世界研究所(パリの文化機関)の長を辞任したが、エプスタイン氏との関係をめぐる税務上の疑惑が浮上している。検察はカリブ海の米領バージン諸島に設立されたオフショア会社を通じた取り引きを調べており、これらが金融犯罪に当たる可能性があるとして捜査を進めている。
また別件として、外務省関係者もエプスタイン文書に名前が複数回登場したことを受け、パリ検察に告発状を提出した。ある外交官はエプスタイン氏と国連文書を共有した疑いを指摘されているが、弁護側は無罪を主張し、捜査の進展を見守る状況だ。
検察当局が被害者に対して名乗り出るよう強く呼びかけている背景には、公開された資料の中に未解明の事実や新たな証拠が含まれている可能性があると考えられている。今回の捜査はフランス国内だけでなく国際的な捜査と連携して進められる見通しであり、エプスタイン事件の全容解明に向けた重要な局面を迎えている。
