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「ロシア軍にケニア兵1000人以上」情報機関が発表 ウクライナ戦争

ケニアから出発した1000人以上の国民がロシアの軍事作戦に加わり、ウクライナ領内での戦闘や関連任務に従事している可能性があるという。
ロシア・ウクライナ戦争、ロシア軍の兵士(中央)とケニアの志願兵(Getty Images/AFP通信)

ケニアの情報機関による最新の報告書で、1000人を超えるケニア人がロシア・ウクライナ戦争において、ロシア側の兵力として従軍している可能性があることが明らかになった。報告書は2月19日に国会に提出され、これまでに政府が公表していた数を大幅に上回る人員が関与している疑いを指摘している。

報告書は情報機関(National Intelligence Service)がまとめたもので、与党議員が説明した。報告によると、ケニアから出発した1000人以上の国民がロシアの軍事作戦に加わり、ウクライナ領内での戦闘や関連任務に従事している可能性があるという。これは2025年末に政府が「約200人」としていた推計の5倍に当たる数字だ。

報告は特に、元軍人や元警察官、無職者らが標的になっていると指摘する。これらの人々は高額給与やボーナス、将来的なロシア国籍付与などをうたうリクルーターに誘われ、観光ビザ(査証)で入国後にロシア軍に組み込まれた可能性があるという。ケニア国内の空港での出国審査が強化された後は、ウガンダや南アフリカ、コンゴ民主共和国など第三国を経由するケースも増えているとしている。

報告書によると、これらの人員のうち89人が前線で活動していることが確認され、39人が入院、28人が戦闘中に行方不明になったとされる。また、帰国した者や拘留されている者、契約期間を終えた者も一部いるという。ケニア政府は昨年、志願兵27人が帰国したと発表していた。

一方で、在ケニア・ロシア大使館は違法な募集行為には関与していないと主張している。同大使館は声明で、「外国人が自国の意志でロシア軍に入隊することは可能だが、ケニア国民の違法なリクルート活動には関わっていない」と主張した。

報告書はまた、ケニア国内で採用活動に関与した疑いのある空港職員や移民局員、リクルーター、さらにはロシアやケニアの大使館関係者までの関与を示唆している。これに対しケニア外務省は、関係当局がさらなる調査を進めると表明し、国内での違法な募集行為を取り締まる方針を示した。

ケニア政府は報告書の提出後、外交的な対応も強化している。外相は近くモスクワを訪問し、国民が戦争に巻き込まれている状況の改善について協議する予定だと発表した。政府は「自国民が他国の戦争に巻き込まれることは容認できない」とし、ロシア側との対話を進める方針を強調している。

この問題はアフリカ全土で指摘されている。ウクライナ側も、他のアフリカ諸国の国民がロシア側で戦闘に加わっている例が多数あると述べ、ケニア以外の国でも類似の募集が行われているとの見方を示していた。

ケニア政府は国民に対し、海外での雇用や契約には慎重になるよう呼びかけるとともに、違法な採用斡旋の撲滅に向けた国内法の整備も検討している。海外での戦闘参加が本人や家族に重大な危険を及ぼす可能性があることから、今後の外交・治安面での対応が注目される。

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