◎最新の世論調査によると、メローニ党首率いる極右「イタリアの同胞」が第1党に躍進する可能性があるという。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は18日、来週予定されているイタリアの総選挙で極右が勝利すれば、欧州とイタリアは危機に直面すると警告した。
ショルツ氏率いる社会民主党(SPD)はイタリア民主党のレッタ(Enrico Letta)元首相をベルリンに招き、会談した。
SPDの委員長は大きく票を伸ばすと予想されている極右政党「イタリアの同胞」のメローニ(Giorgia Meloni)党首を、ハンガリーのオルバン(Viktor Orban)首相のような「反民主的」な人物と非難している。
SPD委員長はレッタ氏との共同記者会見で、「極右には多くの問題があるという認識を共有した」と語った。
また委員長は、「イタリアの総選挙は欧州の未来を左右する」と強調した。
レッタ氏は「EUの同盟国と協力することで、ガス価格の上限設定や、エネルギーコストを抑える取り組み、そして、欧州のロシア産化石燃料依存を終わらせることができる」と述べた。
最新の世論調査によると、メローニ氏率いるイタリアの同胞が第1党に躍進する可能性があるという。同党は独裁者ムッソリーニ(Benito Mussolini)を称賛するファシズム運動をルーツとするが、最近は過激な思想から距離を置いているようにみえる。
メローニ氏は「イタリアの同胞が政権をとっても、民主主義は脅かされない」と主張している。
レッタ氏は進行中の問題(戦争、燃料危機、インフレなど)を解決するためにはEUの団結が欠かせないと訴えている。
一方、メローニ氏はEUの官僚主義を非難し、EUがイタリアの主権を侵害していると非難している。
またメローニ氏は世界規模の食料・燃料危機を引き起こしたロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領を敵対勢力と位置づけ、徹底抗戦すると約束し支持を集めた。
ショルツ氏は記者団に対し、「レッタ氏が勝てば民主国家が喜ぶ。極右が勝てば真っ先にプーチンが喜ぶだろう」と語った。