ジムが苦手?日常生活に「短い運動」を組み込もう
従来の健康ガイドラインでは、週150分の中〜高強度の運動や75分の激しい運動が推奨されているが、忙しい現代人にとってこれを確保するのは容易ではない。
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「運動のために時間を作るのが難しい」「ジムに行く気になれない」と感じる人は多い。しかし専門家は、長時間のトレーニングをする必要は必ずしもなく、日常生活に「短い運動」を組み込むだけで健康効果が得られる可能性があると指摘している。
この考え方はロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のスポーツ・運動・健康研究所が提唱するもので、日常生活の中に「活発な身体活動の短い断片」を意図的に取り入れるというものだ。英BBCの番組でも、こうした短時間で心拍数を上げる日常の動作が健康に寄与する可能性が紹介されている。
専門家はこの日常運動を「VILPA(日常の中での短時間かつ高強度の身体活動)」と呼ぶが、これは通常のワークアウトと違い、特別な装備や時間を必要としない点が特徴だ。
具体的な例としては、日常の中に次のような動きを挟むことが推奨されている。階段の上り下りを速くする、エレベーターを使わず階段を歩く、バスを一駅手前で降りて速足で歩く、散歩中に歩くスピードを上げるなど、日々のルーチンの中に短時間の負荷をかける活動を散りばめる。これらは特別な準備や大きな時間を必要としないため、「ジム嫌い」でも取り組みやすい。
日常生活でのこうした短い運動は心臓血管の健康、心拍数の向上、体の代謝活性化など複数の面で効果が期待できる。たとえば、ほんの数分間の激しめの歩行や階段昇降を複数回行うだけでも、日常的に運動不足の人の健康リスクを下げる助けになるという研究報告もある。実際、小さな活動を積み重ねることで心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクが大幅に減少する可能性が示されている。
このアプローチの利点は、時間や環境に制約がある人でも実行しやすい点だ。朝の支度中やテレビCMの合間、通勤時のちょっとした移動時間など、生活のあらゆる場面を「運動の機会」に変えることができる。これにより、週に1回や2回だけの運動ではなく、毎日の生活の中で継続的に身体を動かす習慣がつきやすくなる。
従来の健康ガイドラインでは、週150分の中〜高強度の運動や75分の激しい運動が推奨されているが、忙しい現代人にとってこれを確保するのは容易ではない。しかし、日常生活の中に意図的に短い運動を散りばめるだけでも、活動レベルを向上させて健康状態を改善する一助となるという見方が広がっている。
専門家は「完璧な運動プランにこだわるのではなく、”動く回数を増やすこと”を意識するだけで、健康に大きな違いが生まれる」と強調している。日常に取り入れやすい小さな行動変化が、長期的な体力向上や生活習慣病リスクの低減につながる可能性は十分にある。
