◎両国は19年前にEU加盟候補国入りしたが、ブルガリアの反対に直面し、悶々とした日々を過ごしてきた。
EUの執行機関である欧州委員会は19日、北マケドニアとアルバニアのEU加盟交渉を開始すると発表した。同委員会はウェブサイトの声明で、「交渉の枠組みを提示し、プロセスを開始する」としている。
この枠組みは加盟候補国がEUの法律、規則、規制をすべて受け入れる準備があるかどうかを審査するためのものである。
北マケドニアとアルバニアは19年前にEU加盟候補国入りしたが、ブルガリアの反対に直面し、悶々とした日々を過ごしてきた。
アルバニアのラマ(Edi Rama)首相は共同記者会見で、「これは始まりに過ぎない」と語った。「我々は強く、民主的で、ヨーロッパ的なアルバニアと、強く、民主的で、開かれたバルカン諸国を築き上げるためにEUに加盟するのです!」
両国の加盟には数年かかると予想されている。
欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は交渉開始と両国の努力を称賛した。
EU加盟国のブルガリアは北マケドニアとアルバニアのEU加盟を長年阻止してきたが、仏大統領の妥協案を北マケドニア議会が承認したことを受け、両国の加盟交渉は大きく前進した。
北マケドニア政府はこの数年、何度も試練に直面した。EU加盟には現加盟27カ国の批准が必要であり、ブルガリアとの対立は内政にも深刻な影響を与えた。
ブルガリアは北マケドニアと言語や民族をめぐって対立し、アルバニアもその流れで加盟交渉を阻まれることになったのである。
北マケドニアのコバチェフスキ(Dimitar Kovachevski)首相は、「これからも自国のアイデンティティを強化・推進する取り組みを続ける」とした。「EU加盟はマケドニア語がEUの公用語のひとつになることを意味します。これは政府の最大の成果、最大の成功のひとつと言えます」
米国のバイデン(Joe Biden)大統領も両国の加盟交渉開始を歓迎した。
バイデン氏は声明の中で、「両国は人権を守り、民主的改革を強化し、法の支配を堅持するための取り組みを進め、強力かつ信頼できるパートナーであり続けるだろう」と述べている。
またバイデン氏はロシアに言及し、「欧州の平和と自由を堅持することがこれまで以上に重要である」と強調した。