◎イギリスが2020年にEUを離脱して以来、イギリス人はフランスをはじめとするEU加盟27カ国に入国する際、パスポートの提示を求められている。
フランス・ノルマンディーで6日、第2次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦開始日「Dデー」から80年を記念する式典が行われた。
前日に行われたイギリス空軍の空挺部隊による華麗なパラシュート降下も大いに式典を盛り上げた。
ノルマンディーにおける大英帝国落下傘部隊の降下を披露した空挺部隊はパラシュートをたたみ、野原を横切り、仏税関が設置した即席の国境検問所に走った。
そこで待ち構えていたのはナチスの兵士ではなく、仏税関の職員であった。
イギリスが2020年にEUを離脱して以来、イギリス人はフランスをはじめとするEU加盟27カ国に入国する際、パスポートの提示を求められている。
英国防省はこの事案が事実であることを認めたが、平静を装っているように見える。
空挺部隊が国境検問所を通過する動画はSNSで瞬く間に拡散。「どうしてこうなった?」「80年前もパスポート提示したんです」「ありがとうブレグジット」といった温かいコメントが寄せられた。
イギリスのタブロイド紙サンはこの出来事を「ばかげた瞬間」と呼び、「Dデー・ジャンプに参加した空挺部隊が降下後、フランス国境当局にパスポートを提示して作戦を開始した」と皮肉った。
5日のDデー・ジャンプには300人以上のイギリス、ベルギー、米国の落下傘部隊が参戦。80年前の出来事を再現した。
チャールズ国王(King Charles III)は6日、ノルマンディーの戦いで亡くなった2万2442人のイギリス兵を称えた。
また国王は「生存する退役軍人の数は減少しているが、彼らが何のために戦い、我々全員のために何を成し遂げたかを記憶する我々の義務は永遠に語り継がる」と語った。