ベネズエラ野党指導者の「ノーベル平和賞」記者会見中止に、所在不明
マチャド氏はベネズエラの野党指導者であり、民主主義の後退と抑圧的な独裁政権に抗してきた活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞することが決まっていた。
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ノルウェー・ノーベル委員会の補佐機関であるノーベル研究所は9日、同日予定されていた南米ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド(María Corina Machado)氏の記者会見を中止すると発表した。
これは翌10日に行われるノーベル平和賞授賞式を前に設定されたものであったが、中止の理由はマチャド氏の所在が不明確なことにあるという。
マチャド氏はベネズエラの野党指導者であり、民主主義の後退と抑圧的な独裁政権に抗してきた活動が評価され、ノーベル平和賞を受賞することが決まっていた。
だが、マチャド氏は国家反逆罪で起訴される恐れがあることから、1年以上公の場から姿を消し、マドゥロ政権が課した渡航禁止や追及の対象となっているため、現在どこにいるかは分かっていない。
ノーベル研究所は声明で、「マチャド氏はオスロに向かっていると認識しているが、それ以外の情報は持っていない」と説明した。
また同研究所はマチャド氏が授賞式に出席できるかどうかは分からないとした。
さらに、「平和賞がベネズエラの現状と民主主義の重要性に光を当てるものになるよう、式典は丁重に執り行う」と付け加えた。
当初、記者会見は12月9日の現地時間午後1時から行われる予定であったが、時間が先延ばしされ、最終的に中止が決定。ノーベル研究所は記者会見の“今日の開催なし”を公式に告知した。
マチャド氏の代理人らは、この中止の理由および今後の予定について明言を避けており、出席の可否は依然として流動的だ。マチャド氏は2024年の大統領選挙に野党代表として立候補を予定していたが、マドゥロ政権に出馬を阻まれ、迫害を受け、身を隠した。
授賞式自体は予定どおり、12月10日にオスロ市庁舎で開催される見込み。ノルウェー国王夫妻や複数のラテンアメリカ諸国の大統領らが出席する可能性がある。ただし、マチャド氏本人が現地に姿を現すか、それとも別の代表者による受賞となるかは、いまだ不透明な状況だ。
今回、授賞式前夜の記者会見が取りやめとなったことは異例であり、受賞者本人の所在不明という事態は、世界的な注目を集めてきた同氏の受賞を巡る複雑な現実を浮き彫りにしている。この取りやめにより、ベネズエラ情勢と民主主義の危機に改めて注目が集まる形となった。
