ポルトガル首都でネオナチ大暴れ、建国記念日が台無しに
事件はリスボンの中心部にあるバラッカ劇場の近くで10日夜に発生。約30人のネオナチ活動家が大暴れし、俳優にケガを負わせた。
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ポルトガル・リスボンの劇場でネオナチ活動家が俳優を襲撃し、「ポルトガルの日(建国記念日、6月10日)」を祝う記念公演が中止に追い込まれた。現地メディアが11日に報じた。
それによると、事件はリスボンの中心部にあるバラッカ劇場の近くで10日夜に発生。約30人のネオナチ活動家が大暴れし、俳優にケガを負わせた。
首相府の報道官は声明で、「極右が表現の自由、創造の権利、我が国の民主主義を攻撃した」と非難した。
警察によると、ネオナチグループは市内で開催された「ポルトガルのために」という集会に参加。集会を終え、帰路に就く途中、バラッカ劇場の近くで記念公演を見に来た人々に因縁をつけたという。
ネオナチ活動家と市民の乱闘は数十分間続き、公演に出演する予定であった俳優が顔を殴られ入院を余儀なくされた。
警察はネオナチ活動家1人を逮捕したと明らかにした。
ポルトガルで先月行われた議会選挙(一院制、定数230)では極右シェーガ党(CHEGA)が第2党に躍進。地元メディアによると、それ以来、ネオナチを含む極右の活動が活発化しているという。
ポルトガルの日は欧州で最長の右翼独裁政権を敷いたアントニオ・サラザール(António de Oliveira Salazar)の暗黒時代を忘れないという意味も込めて祝われている。
サラザールは1932~68年まで在任。政権は1974年まで続いたが、カーネーション革命によって崩壊した。