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オランダ下院議会選、右派と左派の議席数並ぶ、連立協議へ

選挙管理委員会によると、開票率99.9%時点でPVVとD66は26議席を獲得。オランダの選挙で上位2党の議席が並んだのは初めでである。
2025年10月29日/オランダ、ハーグの投票所、自由党(PVV)のウィルダース党首(Getty Images/AFP通信)

オランダで10月29日に下院議会選(定数150)が行われ、右派の与党「自由党(PVV)」と中道左派の「民主66(D66)」の獲得議席が同数となった。

選挙管理委員会によると、開票率99.9%時点でPVVとD66は26議席を獲得。オランダの選挙で上位2党の議席が並んだのは初めでである。

これにより、連立交渉は難航が予想される。

D66は過去最高の議席を獲得。党首はハーグの集会で喜びのダンスを披露した。

地元メディアはD66関係者の話しとして、「中道・左派政党との連立交渉を開始した」と伝えている。

一方、反移民・反イスラム政策を公約に掲げるPVVのウィルダース(Geert Wilders)党首は30日朝、記者団の取材に対し、「連立交渉を主導するのはPVVだ」と語った。

またウィルダース氏は「選挙の結果が確定するまで、D66はスカウト活動を開始できない。我々はこれを阻止するためにあらゆる手段を講じる」と主張した。

スカウトとは、連立の可能性を探るために、第一党が任命する役職である。

D66は前回選挙(2023年)から17議席増。PVVは11議席減となる見通しだ。

PVVの選挙公約には難民申請者の完全な受け入れ停止、国境での軍隊によるパトロール、最近開設された難民申請者センターの閉鎖などが盛り込まれている。

地元メディアの世論調査ではPVVが有利とみられていた。

仮にPVVが第1党を維持しても、右派をまとめることができるかどうかは分からない。中道右派の自由民主党、新社会契約党、農民市民運動党はPVVとの連立を否定している。

PVVは前回選挙で勝利し、4党連立政権を発足させたが、他の3党はウィルダース氏の首相就任を認めなかった。

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