◎ロシアの裁判所は先週、ナワリヌイ氏の上訴を棄却し、禁固9年の有罪判決を確定させた。
ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏は31日、新たな刑事告発に直面し、刑期をさらに引き延ばされる可能性があるとSNSに投稿した。
ロシアの裁判所は先週、ナワリヌイ氏の上訴を棄却し、禁固9年の有罪判決を確定させた。
ナワリヌイ氏は弁護士を通じてインスタグラムに声明を投稿。検察から「ロシア当局やオリガルヒに対する憎悪を扇動した罪」「無許可の違法集会を扇動した罪」で捜査を受けると通知されたと説明した。
同氏によると、2つの容疑で有罪が確定した場合、さらに15年刑期が伸びる可能性があるという。
ナワリヌイ氏はプーチン(Vladimir Putin)大統領の独裁に断固として反対する指導者のひとりで、旧ソ連の神経ガス「ノヴィチョク」で暗殺されかけたものの、九死に一生を得た。
ナワリヌイ氏は昨年1月、治療先のドイツから帰国した直後に逮捕、起訴され、禁固刑を言い渡された。
欧米諸国はロシアの工作員によるナワリヌイ氏の暗殺未遂事件と有罪判決を政治的理由によるものと非難し、同氏の釈放を求めている。
先週の上訴棄却は、プーチン氏の政敵、野党活動家、独立系メディアを封じ込める弾圧のひとつであり、当局はすべての反対意見を封じ込めようと躍起になっている。
ナワリヌイ氏の側近はひとり残らず刑事責任を問われ、その多くが国外に退去した。同氏が創設した反汚職財団はテロ組織に指定され、解散を余儀なくされた。