◎ミュザール氏が当選すれば同国初の女性大統領となる。
2022年11月13日/スロベニア、首都リュブリャナ、ミュザール氏(Borut Zivulovic/ロイター通信)

スロベニアで13日、大統領選決選投票が行われた。

選挙管理委員会によると、開票率77%の時点でリベラル派の弁護士であるナターシャ・ピルク・ミュザール(Natasa Pirc Musar)候補が54%、ライバルの右派候補が46%となっている。

ミュザール氏が当選すれば同国初の女性大統領となる。

ミュザール氏は首都リュブリャナで記者団の取材に応じ、自分が当選した場合は人権と道徳を擁護すると語った。

またミュザール氏は「いま必要なことは団結とスロベニア内外における女性の声である」と述べ、中立の立場を維持することは許されないという見解を示した。「見て見ぬふりは許されません。私はこれまで、発言を恐れたことは一度もありません」

ミュザール氏はスロベニア出身のメラニア・トランプ(Melania Trump)夫人の利益を守るために雇われ、夫人の名前を使った製品の商品化を阻止したことで脚光を浴びた。

右派候補はミュザール氏がトランプ(Donald Trump)前米大統領の弁護士を務めたことに何度も言及し、「ミュザール氏の夫は投資で優遇された」と批判した。

しかし、ミュザール氏本人はリベラル派であり、右派の攻撃を払いのけ、支持を集めたようだ。

右派候補はポピュリストのヤンシャ(Janez Jansa)氏率いる「スロベニア民主党」と距離を置き、無所属で出馬したものの、厳しい戦いを強いられている。

ヤンシャ氏は4月の議会選でリバレル派に政権を奪取された。

ヤンシャ氏は在任中、EU最貧国のスロベニアを右傾化させたと批判にさらされてきた。また同氏はメディアに対する圧力、取り締まり、収賄の疑いで告発されているが、これらの疑惑をすべて否定している。

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