◎アゼル政府は19日、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフ政府はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
アルメニア政府は9月30日、アゼルバイジャンとの係争地ナゴルノカラバフで生活するアルメニア系住民の大半がアルメニアに避難したと発表した。
首相府の報道官によると、この地域で生活していた住民約12万人のうち少なくとも10万500人がアルメニアに到着したという。
アルメニアとナゴルノカラバフを結ぶ唯一の道路(通称ラチン回廊)を通過した車両はこの1週間で2万1000台に達した。
現地メディアによると、ラチン回廊は今もひどく混雑し、曲がりくねった山道で交通事故も発生したという。
ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
この地域をめぐる2020年の紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。
両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルは主要都市シュシャを含むナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われた。
アゼル政府は昨年12月、アルメニアからナゴルノカラバフに通じるラチン回廊を封鎖し、アルメニア人が生活する一部地域への物資輸送が大幅に制限される事態となっていた。
アゼル政府は19日、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル陸軍による集中砲火を受けたナゴルノカラバフ政府はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。
ナゴルノ政府は28日、同政府を年内に解散すると発表。これにより、30年にわたる分離独立紛争は事実上終結した。
アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相はアゼル政府によるアルメニア系住民の追放を「民族浄化」と呼び、国連、米国、国際司法裁判所などにナゴルノカラバフを監視するよう求めている。
アゼル外務省は30日、「ナゴルノカラバフ住民の集団移住は個人の決定に基づくものであり、我々が強制したというアルメニアの主張は誤りだ」と非難した。
アゼル当局は30日、ナゴルノ政府の大統領顧問を国境検問所付近で逮捕したと発表。大統領を含むその他の政府高官も相次いで逮捕されている。