◎ロシア国防省は3日、アゼルバイジャンが2020年の停戦協定を破ったと報告した。
アルメニアとアゼルバイジャン両政府は3日、係争地ナゴルノカラバフで戦闘が発生し、兵士少なくとも3人が死亡したと報告した。
ナゴルノカラバフの分離主義勢力によると、アゼルバイジャン軍がドローン攻撃を仕掛け、兵士2人が死亡、14人が負傷したという。
一方、アゼルバイジャン国防省は、「アルメニアの軍事支援を受ける占領者がテロ攻撃を仕掛け、同軍兵士1人が死亡した」と報告した。
同国防省はこのテロ攻撃に反撃し、「非合法アルメニア人武装勢力」を追い払ったとしている。
ナゴルノカラバフの分離主義勢力を率いるハルチュニャン(Arayik Harutyunyan)氏は3日、一部地域に国防軍を配備したと発表し、緊張を煽った。
ナゴルノカラバフはアゼルバイジャンの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年に発生したこの地域をめぐる紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したとされる。両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。
アゼルバイジャンはナゴルノカラバフの大部分を取り戻し歓喜に沸き、領土を失ったアルメニアの市民は停戦合意を「敗北宣言」と呼んだ。
しかし、ナゴルノカラバフの一部地域では今年3月末頃から小競り合いが発生し、新たな紛争に発展するのではないかという懸念が高まっている。
ロシアはこの地域に平和維持軍という名目で兵士約2000人を配備している。
アルメニアとアゼルバイジャン両政府は3日に発生したとされる軍事衝突で非難を交わした。
一方、仲介役のロシア国防省は3日、アゼルバイジャンが2020年の停戦協定を破ったと報告した。
昨年5月にアルメニア人がアゼルバイジャンの領内に侵入・抗議して以来、緊張が高まっている。