◎アゼルバイジャンは昨年11月8日にナゴルノ・カラバフの主要都市シュシャをアルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力から奪取した。
2021年11月8日/アゼルバイジャン、首都バクーで開催されたナゴルノ・カラバフ紛争の勝利を祝う式典(Getty Images/AFP通信)

11月8日、アゼルバイジャンの首都バクーでナゴルノ・カラバフ紛争の勝利を祝う式典が開催され、市民数万人が参加した。

アゼルバイジャンは昨年11月8日にナゴルノ・カラバフ(アルツァフ共和国とも呼ばれている)の主要都市シュシャをアルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力から奪取した。この2日後、アルメニアはロシアが仲介した和平協定を受け入れ、約6週間続いた紛争は終結した。

アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領は11月8日を「勝利の日」と呼び、兵士を称えた。

ナゴルノ・カラバフ地域はアゼルバイジャンの領土と見なされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アルメニアのニコル・パシニャン首相はロシアの圧力に屈し、ナゴルノ・カラバフ地域の大部分をアゼルバイジャンに返還する和平協定に合意した。

一部のアルメニア人と野党は和平協定を「敗北宣言」と見なし、パシニャン首相の辞任を求めたが、今年6月の総選挙でパシニャン首相は再選を果たした。

アリエフ大統領は8日の記念演説で、アゼルバイジャンは尊厳を取り戻したと述べた。「1年前、私たちは勝利しました。私たちはアゼルバイジャンの領土であるナゴルノ・カラバフに対する干渉、圧力、攻撃を一切許しません。アルメニアが何かを仕掛けてくれば、私たちは拳で応じます...」

AFP通信によると、式典の一環として、会場全体を取り囲む全長440mの巨大な国旗が掲げられたという。式典に参加した市民は巨大な国旗とそれを持つ士官候補生に拍手を送り、ある団体は国歌を斉唱した。

昨年9月に勃発した紛争は、1990年代の分離戦争を超える戦闘に発展した。アルメニアの死亡者は兵士とナゴルノ・カラバフの住民合わせて3,700人以上、アゼルバイジャンの死亡者は2,900人以上と伝えられている。

和平協定により、ナゴルノ・カラバフの大部分がアゼルバイジャンに返還され、そこで生活していたアルメニア人は土地を追われた。

ロシアは和平協定を監視するために、少なくとも5年間、ナゴルノ・カラバフとその周辺地域に2,000人近くの平和維持要員を配備した。

土地を追われたアルメニア人と野党はニコル・パシニャン首相に対する大規模な街頭抗議を行い、混乱は数ヶ月続いた。

和平協定(2020年11月10日発効)

・アゼルバイジャンは紛争中に奪取したナゴルノ・カラバフの一部地域を保持。

・アルメニア人はナゴルノ・カラバフのいくつかの地域から撤退する

・ロシアの平和維持軍1,960人をナゴルノ・カラバフと周辺地域に配備し、違法行為を防ぐ。

・トルコの平和維持軍も監視プロセスに加わる。

・ナゴルノ・カラバフの「解放エリア」にロシアとトルコの統制センターを設置する。

2020年9月27日/ナゴルノ・カラバフ、アルメニア軍の兵士(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

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